デジタルマーケティングの知見から、新サービスの提案を。 ユーザーの視点を追求し、成果に繋げる仕事人。

プロフェッショナル
2018.08.15
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自分の仕事に誇りを持ち、専門性を追求する。「Professional」では、各領域の専門家に迫ります。今回は、ソウルドアウトのオウンドメディア「LISKUL(リスクル)」を立ち上げるなど、ユーザー視点に強いマーケティング領域のプロフェッショナル、上席執行役員の長谷川智史さんにお話を伺います。

▼インタビューの模様を動画でもご覧いただけます。

Professional_長谷川 智史
https://www.sold-out.co.jp/movie/20180723

長谷川 智史(はせがわ さとし)
上席執行役員
プロフィールをみる
長谷川 智史(はせがわ さとし)
1979年生まれ。株式会社オプトを経て、2008年株式会社ビービットに入社。コンサルタントとして大手企業やWeb系企業のWebマーケティング改善に従事。2012年より当社に参画。成果改善部門や自社メディア「LISKUL」の立ち上げを経て、2016年取締役CMOに就任。現在は、メディアを活用した成果創出に従事。

LISKUL(リスクル)を活用した新サービスを立ち上げ

ー長谷川さんが現在取り組まれている事業について教えてください。

今のミッションは、中小・ベンチャー企業の売り上げ向上に役立つ、新サービスの開発です。

これまでのサービスは、ネット広告やランディングページの制作がメインでした。しかしこれだけでは、中小・ベンチャー企業を支援するのに十分とは言えません。料金面で見ても、媒体に広告を掲載した際に発生する手数料、Webサイトなどの制作費、コンサルティング料などがかかってしまい、すべての企業が支払えるわけではないんです。

そのため、より多くの企業を支援する方法として、メディアを軸に広告やWebサイトの制作とコンサルティングをうまく掛け合わせ、低価格で成果が出せる。そして、当社としても利益がある持続可能な仕組みをつくることに挑戦しています。

その第一弾として、ソウルドアウトのオウンドメディア「LISKUL(リスクル)」をBtoBの中小・ベンチャー企業などに開放し、自社で書いた記事を掲載できるようにする「RentaLISKUL(レンタリスクル)」というサービスを立ち上げました。

ー新サービスはどのような内容ですか。また、中小・ベンチャー企業にどんなメリットがありますか。

月額5万円で、LISKULに記事を無制限で掲載できるサービスです。書いた記事に対し、LISKUL編集部が検索流入数を増やすためのアドバイスをします。また、LISKUL内に企業の資料をダウンロードできるフォームを設け、記事の中からもWebサイトへ誘導できる仕組みになっています。

ユーザーの役に立つコンテンツを発信することでファンを増やし、商品やサービスの購入を促す「コンテンツマーケティング」を低価格で行うことができます。また、書いた記事に対してアクセス数を上げるためのアドバイスも受けられるため、見込み客の獲得に役立ちます。

コンテンツマーケティングでは、SEO(検索エンジン最適化)が重要な集客手段です。今はLISKULの中で「ネット広告」や「ホームページ作成」などのキーワードが上位に来ているので、まずはデジタルマーケティングなどを行うBtoBの会社にサービスを提供したいと考えています。そこから徐々にほかの業種へも範囲を広げる予定です。

▼月間70万PVを超えるWebメディア「LISKUL」
https://liskul.com/

▼『間借りで始めるオウンドメディア、「RentaLISKUL」とはどんなサービス?』
https://www.sold-out.co.jp/soulofsoldout/other/20180720

ー特にメディア領域でサービスを立ち上げたのはどうしてですか。

資産性があるからです。情報発信することで売り上げ向上にコミットする点は広告と同じですが、掲載期間が決まっている広告と違って、メディアは長期にわたって蓄積できるのが特徴です。

さらに、記事の構成などを一緒に考えていくことで、クライアントのユーザー理解が進むと考えています。コンテンツを作ると、ユーザーがどんな立場で何を欲しているか考える力が高められます。中小・ベンチャー企業を支えるうえで、ユーザー理解を深めることは重要だと考えています。

行動ではなく、文脈をみる

ー長谷川さんはデジタルマーケティングが専門だとお伺いしましたが、ユーザー理解を深めるためにご自身が大事にされていることはありますか。

私は前職からデジタルマーケティングに関する仕事をしていました。そこでユーザーの心理や行動を分析する調査を行った経験から、想定するユーザーに近い人に実際に「会う」ことが一番大事だと思っています。

たとえば「お母さん」をターゲットにするなら自分の母に電話して聞いてみるとか、アパレルのプロジェクトならその店に服を買いにいってみるとか、そういう実際のユーザーに触れ、心理を洞察することが大事かなと。

自分とまったく性質の違う人に共感はできなくても、理解はできると思うんです。その人の置かれている状況や立場、持っている価値観や目的を踏まえると、その行動の「なぜ」には納得できる理由があるんですよ。ユーザーのことを考える場合も、行動だけではなく、その理由につながる文脈や状況、タイミングを見るようにしていますね。

ユーザーの視点を持ち込む

ーどんなきっかけでソウルドアウトに参画されたんですか。

前職は、デジタルマーケティングを中心に大手企業などを支援するコンサルティング会社に勤務していました。その頃から、代表の荻原に「大手の支援は誰かがやる。長谷川のWebマーケティングのスキルは、中小企業のために使うべきじゃないの?」と誘いを受けていましたが、当時は自分の腕を磨くことにしか興味がなく、言われたことがあまり響いていなかったんです。

しかし、前職の上司からも「自分よりも、他者への貢献にフォーカスした方がいい」というようなフィードバックを受けて。いろいろ勉強するうちに、磨いた力を「誰のために使うか」が大事なんだとわかるようになりました。

すると、荻原さんの話が急にグサッと胸に刺さるようになりました。大手を助けるコンサルタントはいくらでもいる。ならば、中小・ベンチャー企業のために自分の力を使った方が、世の中に価値を提供できるのではないかと思いました。そこで、ソウルドアウトに参画することにしたんです。

ーソウルドアウトに入社後、特に力を入れて取り組んだことを教えてください。

まず、中小・ベンチャー企業のお客様に貢献するため、「ユーザー視点」という価値観を会社に取り入れました。

参画当時のソウルドアウトは営業の会社らしく、徹底的にお客様を見て、やりたいと言っていることをどう実現させてあげるかを考えている人が大半でした。でも、それだけだと成果はでません。

本当にお客様のためを想うなら、やりたいことを気持ちよくさせてあげるだけでなく、ユーザーがこうだからこうしましょう、と提案し、実際に成果を出すべきだと考えたんです。

そこで、新卒を多く入れた成果改善のためのチームをつくり、ユーザー視点が大事だという価値観と提案の仕方を教えていきました。たとえば、ユーザーの生の声が入った動画を持って行って、お客様と一緒に施策を考える。数字の先にいるユーザーの姿を見せると、インパクトがあるし声が届きやすいんですね。

すると新卒ばかりのチームでも、コンバージョンが倍になるなど成果が出ました。それを毎週社内の全体会議で発表して。すると「成果が出てお客様も喜ぶならやってみよう」という形で、ユーザーの目線で考える風土が少しずつ根付いていきました。中小・ベンチャー企業のために、という想いに基づいて、自分の力を活かすことができました。

それから、ソウルドアウト自身のマーケティングにも力を入れましたね。中小・ベンチャー企業の経営者やマーケタ―に役立つ情報を発信する、LISKULを立ち上げました。これによって、月に3件ほどしかなかった問い合わせを約200件まで増やし、テレアポ中心だった会社を問い合わせがくる会社に変えることができました。

▼荻原と長谷川の対談
『「お前が磨いてきたその力、誰のために使うんだ?」 荻原からの言葉で、私は戻ってきました。』
https://www.sold-out.co.jp/soulofsoldout/history/20170606_0

言葉ではなく、行動で示す

ー最後に、デジタルマーケティングの展望や、ご自身の今後の目標について聞かせてください。

デジタルマーケティングについては、今後もどんどん新しい技術が出てくると思いますが、「人を見る」という基本は変わらないと思います。

今後は、デジタルシフトによって情報の主権が企業からユーザーに移り、ユーザーに情報が集まって比較検討できるようになることで、本当にいいものだけが残る時代になると感じています。自信を持って本当にいいものをつくって、人を幸せにしようとしている会社をお手伝いしていきたいです。

個人としては、本当の意味でお客様が幸せになるサービスをつくることが今の目標です。

実は私は、先ほどお話した実績から、2016年にマーケティング責任者として取締役になりました。140人の組織のトップとして、デジタルマーケティング事業を率いていたんですが、力不足で思うように結果が出せなかったこともあり、取締役を退任し、得意な領域であるコンサルティングやサービス開発に専念することになりました。

同時期に自社ブランディングにも携わっていたんですが、ブランディングとして発信しているメッセージと実態としてやっていることとのギャップが段々苦しくなってしまいました。中小・ベンチャー企業を助ける会社だと対外的に打ち出していても、現状では広告予算が少ないお客様に対し、サービスを提供できないケースもあります。

従来のサービスだけでは、資金力のない会社は助けるのは難しいかもしれない。ならば今、私がやるべきことは、実態として資金力のないお客様でも成果を提供できるサービスを作ることだと思いました。そういう想いで、新しいサービス開発に取り組んでいます。

現在も、ソウルドアウトの経営陣、マーケティング責任者としてのマインドで仕事をしています。ソウルドアウトの目指すものと実態とのギャップを埋めることが今の自分のすべきこと。会社のビジョンを実現できるよう、まずサービスを磨いていきたいです。

private talk

昔からニュースが好きです。それが高じて、NewsPicksというメディアでさまざまなニュースに自分のコメントを入れています。デジタルマーケティングを中心に解説していて、今では編集部の推薦を受けるおすすめピッカーになりました(笑)。ほかにも、ジャンルを問わず年間100冊以上本を読みます。愛する妻と5歳の娘と過ごすことの次に、情報収集に時間を使っていますね。

パンくず