「我々は何者か」を問い直し、さらに進化する。 新たな事業を見据えた、2020年の挑戦。

経営・事業
2020.01.24
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2019年3月に東証一部上場を果たし、荻原猛が代表取締役会長CGO、荒波修が代表取締役社長CEOに就任してから、ダブル代表体制で走り続けてきたソウルドアウト株式会社 。代表2名が1年を振り返り、2020年の展望を語ります。

荻原 猛(おぎわら たけし)
代表取締役会長CGO
荒波 修(あらなみ おさむ)
代表取締役社長CEO

お客様の支援が結実し、デジタルマーケティング以外もご相談いただけることが増えた1年

ーまずは2019年の一年を振り返り、特に嬉しかったことを教えてください。

荒波:業績が伸びたお客様が増え、中にはIPOされたお客様もいらっしゃいました。
成長意欲ある中小・ベンチャー企業様をご支援させていただき、多少なりとも貢献できたことはとても嬉しかったですね。

また、お客様に「ソウルドアウトの社員はすごく寄り添ってくれる」「(自社の)社員以上に事業を理解しようとしてくれる姿勢が素晴らしい」とおっしゃっていただくことも多く、社員がしっかり成果を出して感謝していただけているのが嬉しいです。

荻原:成長意欲のあるお客様がどんどんデジタルマーケティングに挑戦されたのと同時に、ブランディングや幹部採用、社員の育成など、いろいろな相談をいただくことが増えた一年でした。IPOに興味を持って、質問していただく機会も増えましたね。自分たちがこうして情報発信しているからこそいただけたご相談かもしれません。お客様にとっても、私たちにとっても、今後の可能性を広げる意味でも、戦っている経営者のみなさんに、デジタルマーケティングだけではない色々なご相談をいただけたことは、非常に嬉しく思っています。

外部環境の変化に、 グループとしての新しい姿勢を

ー2020年は、どのように地方、中小・ベンチャー企業を支援していきたいですか。

荒波:2020年も、集客を基本として人材とデジタル分野で地方、中小・ベンチャー企業を支援していくのは変わりません。ただし、外部環境によって、提供するソリューションは変わっていくべきだと思っています。

環境に関していうと、国内外でcookieの利用制限が急速に広がってきています。過去10年近くインターネット広告市場を引っ張ってきていた運用型広告、特にディスプレイ広告は、これまでのような成長を続けるのは難しくなるかもしれません。それに対するソリューションを、ソウルドアウトグループとしても用意しておく必要があると考えています。

荻原:デジタル領域において、そこはかなり大きい変化でしょうね。他の変化でいうと、消費者と誠実に向き合える広告が求められる時代になると思っています。関連法規を逸脱したり、誇張表現や誤解を招くような表現のクリエイティブは、より厳しく規制される。その変化は、逆に真っ当にやっている会社の商品がきちんと評価される時代になるということ。それはすごくいいことだと思いますし、僕らも引き続き、王道をいきたいと思いますね。

荒波:社会全体を見ると、インバウンド需要の増加も大きいですよね。まずオリンピックまでに対策しないと海外の旅行者を取りこぼしてしまいますし、オリンピックが終わっても、この傾向は続くと思います。国内の市場が縮小する中で、外に打って出るお手伝いをどうやってしていくか?が今後大きなテーマになると思います。

特に地方のお客様は、ノウハウをお持ちでない方も多い。中でも、地方で店舗をお持ちのお客様の集客を支援したいと考えていますね。例えばアジアのお客様は、グーグルマップを使って地方の店舗を探し、訪ねることが多いと言います。2019年に誕生したグループ会社、SO Technologiesで開発した『ライクル※1 』などのプロダクトを使って、店舗集客を支援したいですね。

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荻原:うちはもともとECを運営しているお客様の支援が多かったので、リアルな店舗への集客は更に進化していきたいですよね。そして支援領域が広がれば、さらにより多くのお客様に対して支援できるようになっていけます。

※1 ライクル:SO Technologies株式会社が提供する運用型広告のレポート作成を自動化するサービス
 

3つの柱を軸に、我々は何者かを問い直す

ーソウルドアウトとしては、どんなことに注力していきたいですか。

荻原:私は、新規事業担当なので、新たなサービスを作って、新規事業を立ち上げたいと思っています。「お客様の商品を売る」というマーケティング支援から一歩広げて、例えば「人材を採用する」というリクールトメントマーケティングの支援を強化したいですね。
あとは僕らが見ていて素晴らしいなと思う会社さんの良さをコンテンツにして発信するPRなど、幅広い支援ができるようにしたいと考えています。

最近特に感じることとして、企業理念や事業テリトリーを鮮明に打ち出せる企業は強いな、と思っています。掲げた理念が消費者の共感を生み、製品が売れたり、人を採用できたりする時代になっていると感じます。3年に一度は社会変化があるとも言われていますし、我々も定期的に見直す必要があると思うんですね。そうすることで会社として求心力が高まり、応援団が増えていくことにつながると思いますね。

実は業績が上がる会社には、しっかりとした理念がベースにあると思っています。だから多くの会社で、経営者の方が目指したい理想をどんどん語るようになったのが嬉しかったし、そういう話をしているのが楽しかったですね(笑)。

荒波:2020年は、事業を3つの柱で構築したいと考えています。
一つ目は、広告代理事業。これは競合との差
別化をはかり、付加価値を高めることを重視していきます。付加価値の一つとして、先ほど話に出ていたブランディングやPRの支援もしていきたいですね。

二つ目が、ソフトウェア事業です。
これまでにもATOM※2やライクルなどの自社プロダクトを開発してきました。会社の業績への貢献度合いはまだ大きくないですが、来年以降芽が出て花が咲き始めるよう、引き続き注力したいと考えています。

三つ目は、新しい形のメディアサービスに挑戦していきたいと思っています。先ほどお話ししたような広告市場の現状がある中でも、集客したいお客様の需要はなくならないはずです。新しいお取引に直結するメディアサービスを作りたいと考えていますね。

荻原:これまで自社でLISKUL※3などのメディアを運用してきたノウハウがあるので、横展開するのは十分ありえます。中小・ベンチャー企業の皆さんに喜んでいただけるようなメディアを作りたいと思っています。

他にも新規事業を立ち上げて、貢献していきたいですね。現場の営業も、経営者の方々からたくさんの課題を伺っています。内容は様々ではありますが、ご相談はソリューション開発のアイデアの種になります。お客様には、まずは現場の社員にご相談いただけると嬉しいですね。

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荒波:例えば、福岡には商品の販売だけでなく商品開発からお手伝いしている社員がいて、すごくお客様から感謝されているんです。そういう事例が増えるといいなと思います。

経験を積める場を作り、成長を加速させる

ー2020年の組織づくりについてはどうお考えでしょうか。

荒波:社内の制度改革を進めていきたいと考えています。グループも300人を超えて大きくなってきたので、会社の規模感に合わせた制度改革をしたいですね。放っておくと、いろいろな遅れや不具合が出てくると思うので、テコ入れをしたいです。

荻原:同感です。当時は良かれと思ってやったけど、時間が経つと必ず金属疲労が起きる。これは抗えない。それに加え、組織規模が大きくなると、当時のルールが適合しなくなり、歪が出てきています。そういう部分の改善を、荒波がどんどんやってくれている。それによって良い代謝ができていますね。

経営は、自分一人でやっているとどうしても偏りが出てしまいがちです。それを、ダブル代表のもう一人が牽制してくれるから、まっすぐに進みやすくなりますよね。

荒波:そうですね。来年一番やりたいのは、大胆な権限委譲です。それをするためには、人が成長する経験を積めることが大事だと考えています。

私は、人を成長させるには事業を通じて経験させるしかないと感じています。そういう機会をできるだけ提供することが、マネジメントの役割だと思っています。
そのために最近、社内で新規事業のコンテストも始めました。

上長が決めたものをやるだけでは人は育たないので、「ここまでは任せた」という裁量を与え、失敗を含めた経験を積んでもらうことを大事にしたいです。

加えて、これまで事業を伸ばさないといけない中で、営業は営業、運用は運用と役割を区切りがちでしたが、それでは優秀な人ほどだんだん飽きてしまいます。なので、グループ内で異動したり、新規事業を手がけたりと、様々な経験を積める仕組みも作っていきたいと思います。社員の自立や成長にはこだわりたいですね。

これからは社会の変化がさらに激しくなっていく。それに対応するためには、柔軟な組織、会社であることが重要。生き残っていくために、変化に柔軟に対応できる人材を育てていきます。


※2 ATOM:SO Technologies株式会社が提供するGoogleやLINEのサービスを連携した集客サービス
※3 LISKUL:ソウルドアウト株式会社が提供するWebマーケター向けのWebメディア

パンくず