新規事業を立ち上げたのは、元・鉄道マンの法務担当者!その裏側にある想いとは

ヒストリー
2017.12.14
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【社長と対談シリーズ】第7回は、Webマーケターと中小企業のマッチングサービス「Draft」の立案者であり、プロダクトマネージャーを務める和田広大。法務担当として中途入社し、新規事業担当者へ転身するという異色の経歴の持ち主です。そこまで中小企業支援に和田が入れ込んだ理由と想いとは?そして、ともすれば自分たちのビジネスモデルを否定する可能性もある「Draft」を実現させた理由とは?

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荻原 猛(おぎわら たけし)
代表取締役社長
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荻原 猛(おぎわら たけし)
1973年生まれ。中央大学大学院戦略経営研究科修了。経営修士(マーケティング専攻)大学卒業後、起業。2000年6月に株式会社オプトに入社。2006年4月に広告部門の執行役員に就任。2009年に当社を設立し、代表取締役社長に就任。著書に『ネットビジネス・ケースブック』(2017年 同文舘出版 田中洋共著)がある。
和田 広大(わだ こうた)
株式会社テクロコ取締役
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和田 広大(わだ こうた)
1986年生まれ。早稲田大学卒業後、大手鉄道会社に新卒入社。2012年にソウルドアウト株式会社に法務担当として入社し、2014年には新規事業開発を経験。2015年からは株式会社テクロコにて、Webマーケティング支援に特化した専門家マッチングサービス「Draft(ドラフト)」と、アクセス解析・ヒートマップを中心としたWebマーケティング支援ツール「brick(ブリック)」のプロダクトマネージャーを務める。2017年3月、早稲田大学ビジネススクール(マーケティング専攻)修了。

Webマーケターと中小企業をマッチングするDraft

―――まず、Draftがどんなサービスなのか教えてください。

和田:Webマーケティングの専門家と中小企業のマッチングサービスです。2015年6月にサービス開始し、現在では700名以上の専門家の登録、180社以上の中小企業からの依頼を受けてきました。

荻原:Webマーケティングに特化したクラウドソーシングですよね。具体的には、どんな企業がDraftを使ってくれているのかな?

和田:急成長するスタートアップ企業のWebマーケティングの立ち上げ期に利用いただいていますね。他にもWebマーケティングの立ち上げ期や、大企業のテストマーケティングや市場調査にも使っていただいてます。あとは、CAMPFIREさんのようなクラウドファインディングサービスとDraftを併用していただくケースもありますね。

―――具体的に、印象に残っているお客さんのエピソードなどがあれば教えてほしいです。

 和田:例えば、あるソフトウェア系のクラウドサービスを作っているスタートアップがあったんです。経営者は20代半ばで、エンジニア1人、学生インターン1人みたいな企業でした。社長はリスティング広告を出稿したいんだけど知識がなくて、まったく未経験の学生インターンが本を見ながらやろうとしている、という状況でした。

荻原:なるほどね。最初は予算も少額だと、なかなかプロに頼む、っていうか代理店に頼む、っていう発想にはなりにくいよね。

和田:そうなんです。そのくらいのフェーズだとプロに頼むのは、夢のまた夢ですね。それでDraftを提案したら、彼らが求めていることがぴったりはまって。わずかな予算でも海外ユーザー獲得のためのFacebook広告など、積極的にチャレンジしていただきました。

荻原:Webマーケティングに価値を感じてもらえた、と。

和田:はい。手段を知らない人に、僕たちが価値を伝えて、使ってもらって、感動してもらえる。なんて幸せなんだ、って思ったんです。これが実はDraftの初めてのお客様でした。これがあったからこそ、Draftというサービスにさらなる可能性を感じましたね。

荻原:それは、すごいね!素晴らしい。

―――そういった要望に対応できるWebマーケティングの専門家とは、どういう方々なのでしょうか?

和田:フリーランスや、少数精鋭で起業してWebマーケティングを行っている人ですね。中には、業界内でも貴重な超ハイレベルのスキルを持つ人もいます。例えば業界最大手企業で広告運用部門の部長職を経て独立した方や、最先端のアプリマーケティングに精通されている方、またGoogleアナリティクスにおいて、国内で数少ないトップコントリビューター認定を受けてる方などもいらっしゃいます。

 ―――そういう方々が、Webマーケティングのコンサルティングをしている、と。

和田:コンサルティングだけではなく、アクセス解析だとかWebサイト改善、そして、もちろんネット広告の運用代行も依頼可能です。今ではソウルドアウトの社員も、60人以上登録しています。

荻原:Webマーケティング支援会社を経営している身からすると、オンデマンド人材とはいえ、広告運用の仕事をこれだけの人に発注できる状況にあるっていうのは、本当にすごい状態だと思う。

和田:ありがとうございます。2015年6月のサービス開始から、登録者数はどんどん増えていっていますね。

荻原:業界大手のネット広告代理店でも、広告運用ができる人材を700人も抱えてるところなんて、そうそうないからね。

経営者だった父の姿が原体験。鉄道会社から、ベンチャー企業へ

荻原:僕の思う和田の面白いところは、まずそのキャリア。一度もWebマーケティング支援の現場に携わることなく、Draftを立ち上げてるからね。

―――和田さんは、どういうご経歴でいらっしゃるんですか?

和田:大学卒業後は鉄道会社に入社し、2年間働いていました。もともと、街づくりや地場に根づいた産業に興味があって選んだ仕事だったのですが、配属されたのが法務部だったんです。色々悩んだ結果、2年後にソウルドアウトに転職しました。だからソウルドアウトに入社した時も、法務としての採用だったんですよね。

荻原:そうそう。超安定した会社のキャリアを捨ててきてるからね。それで数ある会社から、どうしてソウルドアウトを選んだの?

和田:転職を考える時は、今までに2年間やってた鉄道業界やまちづくりのことはいったん忘れて、自分の原体験に立ち戻ろう、と思ったんです。そこで改めて思ったのが、大学生の時に見た父親の姿でした。父親は会社を経営していたのですが、リーマンショックの時につぶしてしまったんです。

荻原:なるほどね。お父さんは、どんな事業をやっていらしたの?

和田:マンションとか、ホテルとか商業施設の内装事業です。とにかく中小企業の経営者は孤独で、だれも親身になって相談にのってくれる人もおらず。思い返せば、もしちょっと早くいろんな金融関係の情報とかを知っていたら、もしかしたらつぶれなかったかもしれない、とかも思うんですね。

荻原:そうだよね、経営者って本当に孤独。それは間違いない。

和田:そうなんです。だから父親のような中小企業の方を支援したい、そういう人たちが頼るような会社に入りたい、と思った時に見つけたのがソウルドアウトでした。

荻原:和田が入社した時、ソウルドアウトはやっと3期目に入ったところでした。鉄道会社から、ドベンチャーへの転職だよね。

和田:はい。最初に取締役の山家さんと面接をしたのですが、その場ですごく会社にかける想いを語られて。こんなに志を伝えてくる会社は他にはありませんでした。その内容に共感して、僕もつい余計に自分の話をしてしまったりして(笑)

―――それで、入社を決めたんですね。

和田:とはいえ、全然ネット広告もWebマーケティングのことも分からなかったですよ。リスティング広告という言葉すら、面接の前日に買って読んだ本で知ったくらいでした。

荻原:和田は、ソウルドアウトで初めての法務専任担当者でした。ソウルドアウトでは、何年くらい法務にいたの?

和田:2年くらいですね。この山家さんとの最初の面接で、2年くらい経ったら法務じゃないところに行きたい、というのは話していましたけどね。

―――実際に、中小企業支援の会社に入ってみていかがでしたか。

和田:まず1番感じたのは、ネット広告を運用して、その予算の一部を手数料としてもらうようなビジネスモデルだと、他の会社ができるだけ大きい会社を支援したい、という流れになるのが必然だとわかりました。

荻原:企業は経済合理性にもとづいて動きますからね。だから敢えて、ソウルドアウトはそこをやっていく。

―――お客さんである中小企業さんを近くで見ることもあったんですか?

和田:そうですね。法務としてお客さんとお仕事をするタイミングっていうのは、どちらかというと上手くいかなくなってしまう時なんですよね。例えば、広告を出稿したものの、お客さんがその費用が払えなくなってしまって、その債権回収をしないといけないときとか。

荻原:法務だとそうだよね。

和田:やっぱり生々しい、残念な結果に終わってしまったケースとかもあって。そういう企業を見る度に、過去の父の会社のことが頭によぎるんです。こういう会社を減らしたいと思っても、手数料を広告費からもらう仕組みだと支援するにも限界があると感じていました。

荻原:それで新しい事業、新しいビジネスモデルがやりたいと考えていた?

和田:そうです。そこで、その既存の枠にとらわれず、小さな会社でも、広告費をもっと活用するとか、Webマーケティングに触れてもらえるような仕組みを作りたい、という想いはどんどん募っていきました。それで、入社から2年が経って面接で約束した時期が来たんです。

法務部から、念願の新規事業担当へ

―――それで、事業側にとうとう転身するときが来たんですね。

和田:そうですね。2年が経つ中で、法務というポジションでどんどん社内で認めてもらえるようになりました。一方、このままだと鉄道会社にいた頃と変わらない、と思い焦りを感じるようになったです。それで、荻原さんを含め皆さんに、ちょっとわがままを言い始めて。

荻原:和田にしたら、約束の2年だけど。突然、言葉にし始めたから、皆驚いていたんだと思う。

和田:そうですね。目の前の法務の仕事はそれなりに多いからやり続けないといけないし、専門性が高いから悩みを相談しづらくて。それで納会(ソウルドアウトの社員全員が集まり、その期を振り返る半期に1度のパーティ)の後、山家さんに直談判したんです。

荻原:覚えてる。納会の後、山家とケンカして泣いてたもんね。

和田:あの時は、いろいろな想いが溢れてしまって…。「山家さんとの面接で、2年間で法務じゃない仕事をするって約束したじゃないですか!」って、言ってましたね。

荻原:納会で皆楽しんでるのに、ぱっと見たら和田が喧嘩しると。大人なのに、想いが強すぎて泣いちゃうくらいに。

和田:でも結局、そういう感情部分のアプローチもあって、山家さんをはじめ、関係者全員を説き伏せることができました。

荻原:そう、それで新規事業をやる社長室というチームを新たに作り、和田を配置しました。

和田:ただ、やっぱり他の事業部も忙しいので、社内で人を集めることには苦労しましたね。一方、幸いにも社内には他にも新しい取り組みをしたいというメンバーがいて、初めはまずは有志でリサーチなどから始まりました。いろいろと方法を調べていく中で、やっぱり志のある中小企業を支援するんだったら、クラウドソーシングがいいのではないか、と思い始めたんです。

―――なぜクラウドソーシングがいいと思われたのですか?

和田:今まで、先の話にあがったビジネス構造上、中小企業のネット広告運用支援に特化してスケールした事業者は、ほとんどいませんでしたが、クラウドソーシングで専門家の未稼働時間を借りることで、費用面で大分融通がきくようになる。これが、ソウルドアウトが解決したい課題がマッチしていると思ったんです。

荻原:クラウドソーシングが盛り上がって、多くの企業で活用されている頃だったしね。でもクラウドソーシングというと、普通は副業とか自由な働き方という視点で考える人の方が多いと思う。でも和田はそうじゃなくて、仕事を発注する企業の方を先に考えてたんだよね。

和田:そうですね、やっぱり手数料モデルであるネット広告代理業を身近で見ていて、支援しきれないお客様がいるのを歯がゆく感じていたので。それでクラウドソーシングを勝手に調べて、荻原さんに報告しながら進めていましたね。

荻原:そうね。最初はかなりふわっとしたアイデアだったよなぁ。

和田:1番最初の頃は、Webマーケティング支援というよりは、コンサルティングみたいなことを考えていましたね。中小企業ってなかなか自分たちの強みも弱みも、市場のことも分からない中で、闇雲に戦っている人たちが多いのではないかと思っていたので。そういう人たちとコンサルティングができる専門家をマッチングさせる、というサービスをやりたいと役員の方には言ってましたね。

荻原:その頃は、まだ誰のどんな課題を解決するのか?っていうのが、まだまだシャープじゃなかったよね。

和田:かなり厳しい意見もいただきました…。それでどんどん業界の有識者なんかに話を聞きに行ったりしていましたね。そうしたら、株式会社テクロコの林社長が、代理店が手数料をもらってもビジネスとして成り立たないくらいの少額広告予算の中小企業さんをサポートする事業を構想していると、荻原さんが教えてくれたんです。それでそのクラウドソーシングの案をもって、林さんのところに話を聞きに行きました。

―――それがテクロコで、Draftを開発することになるきっかけなんですね。

和田:そうです。林社長もそういう企業をサポートするには、手数料モデルの広告代理業の形を何かに変えないといけない。でも、Webマーケティングのツールを提供するだけだとうまくいかない。何か最適な形で伴走できる仕組みをつくりたい、と考えてところで意気投合しました。

荻原:それで、本格的にアイデアが動き始める。

和田:はい、興味は持ってもらえたので。2014年の秋ごろですね。それで、テクロコへの異動希望を正式に出しました。

荻原:僕もこの社長室でのその半年、和田の熱意はめちゃくちゃ感じていましたからね。OKを出しました。サービスを立ち上げるって、本当に簡単じゃないんです。でも和田はずっと管理部門で事業部門をやったこともない。正直、不安でしたよ。でもそれを努力で乗り越えていった。

和田:ありがとうございます。

荻原:経験よりも、やりたいという強い想いと緻密な戦略・計画が大切ですね。あと、ソウルドアウトの社風にもあるけど、「学ぶ姿勢」をずっと持っていたのもの偉いと思いますよ。和田も、DraftをきっかけにMBAを取りに行ったんだよな。

和田:そうですね。事業サイドに入るならば、ちゃんと学びたいという想いと、危機感もありましたね。Draftを始める前後で、どういう人たちが自分のサービスのお客様になるかを考えたら、やっぱり経営者だと思ったんです。中小企業だとWeb担当者がいないことも多いので。それでWebマーケティングだけじゃなくて、広く経営の勉強をしなければいけないな、と。

荻原:授業料は安くないし、これから事業を立ち上げるならどんどん忙しくなるのにね。いい覚悟だよね。やっぱりMBAで学んだことは結構活かせるでしょ?

和田:活かせますね。

荻原:学問で整理されて俯瞰されたものって、意外と自分がやってることに当てはまることがあるんだよね。

―――例えばどんなことがありますか?

和田:クラウドソーシングをどう広げていくかを考えた時に、1990年代に検証されていたインターネットの普及に関する研究なんかも参考になりました。その頃、インターネットはまだ新しい概念で、その新しい技術が受容されるまでにどういう障壁があって、何を取り除けば普及しやすいのか…とかですね。

荻原:クラウドソーシングにも同じことが言えるんだ。

和田:まさにそうです。人々が新しいものを知ったときに、何を不満に思うのか、何を補足してあげれば安心感を与えられるのか。知覚リスクというものがあって。そういうのはかなり勉強になりました。

―――ベンチャー企業の新規事業担当者で、MBAに行かれる方は多いんですか?

和田:いや、稀です。

荻原:そうだよね。大企業の方が多いかな。だから、学校からもITベンチャー企業ということで、重宝がられることもあるかもね。

和田:はい。珍しいので、先生も含めて興味を持ってもらえますね。それに今の悩みを伝えると、ビジネスリテラシー高い方々が無償でいっぱいアドバイスくれるんです。それも大きな資産ですね。

荻原:そうそう、ホントありがたい。皆さんは逆に、実践的な例を欲しがっている側面もありますからね。

競合は、ソウルドアウト?Draftのために、副業規定まで変える

―――その後、順調にDraftは立ち上げるのでしょうか?

和田:Draftを立ち上げる時に、ソウルドアウトにとっては自殺行為なんじゃないかっていう議論もありましたね。

荻原:あったあった。

―――自殺行為?

荻原:要するに、Draftがソウルドアウトのビジネスの競合になっちゃうんじゃないか?と。ソウルドアウトが提供するサービスよりも、もっと安くて、もっとハイクオリティなサービスだったら、お客さんがDraftに流れちゃうかもしれない。これは自分たちの提供してきたものを否定しているわけです。ジレンマでしたね。

和田:議論は、かなりしましたね。とはいえそこにクライアントのニーズがある、と信じていました。

荻原:葛藤はすごかったですよ。でも、確かに和田が言うようにクライアントが喜ぶんだったら、いつか他社も同じサービスを提供し始めるかもしれない。それだったら、自社の競合になるサービスだったとしても、自社でやった方がいいんじゃないか、という話になりました。経営としては、難しい決定でしたけどね。リバースイノベーションの発想ですね。

―――クライアントのためだったら、自社がやってきたことも否定する、と。

荻原:そうですね。あと本音としては、和田がクライアント視点から提案をしてくれたって言うのが、僕はすごく刺さってしまったんです。ソウルドアウトの意思決定基準の1つは「顧客視点」。やっぱりお客さんのことを考えてから、サービス作ってるなら、否定する理由がない。やる前にぐちゃぐちゃ言うんじゃなくて、結果を見て判断すればいい。

和田:最終的に選ぶのは、お客さんですからね。

荻原:そうそう。その発想が全て。僕は対面での接点が重要だと思っているんですが、和田の低価格で質のいいものをオンラインで提供できればいい、という発想も面白い。つまり選ぶのはお客さん。

―――そして、サービスローンチになるのですね。ローンチしたばかりはどういう課題があったんですか?

和田:2015年6月にローンチしたのですが、まずは登録してくれているWebマーケティングの専門家をどうやって集めるかが最初の課題でしたね。

荻原:たしかにね。登録者はどうやって集めたのか教えて。

和田:サービスリリースの初期は、とにかく直接会いに行きました。オンラインで僕自身のプロフィールを明かして、どんどん興味をもってくれそうな人にコンタクトを取ってみたんです。そしたら、2週間ぐらいで100人が興味をもってくれたんですよね。それで1人ずつ会いに行って…というのが最初でした。

荻原:最初は地道なんだよね。直接会いに行けば、感じることもあるだろうしね。いいねー、いいアクション。

和田:はい。もう一方で、ソウルドアウト内部も動かしました。それまでソウルドアウトには、副業規定はなかったんです。でもソウルドアウトの社員にもDraftで副業をしてほしかったので、正式な副業規定を作るようにお願いをしましたよね。

荻原:1サービスのリリースのために、会社の規定まで動かしちゃうと(笑)

和田:それをちゃんと社員に浸透させるために、全社会議でプレゼンテーションしたり、社員に副業申請の紙を手渡しに行ったりとかしましたね。

荻原:いい話だね。社外と社内の両方に、アプローチしていった。

和田:それで最初は300人を集めるくらいまではうまくいったんですが、そこから500人くらいに行くまでは一時的に伸び悩んで、苦労しましたね。

―――そうなんですね。300人で壁が出来たのですね?

和田:クラウドソーシング事業は概して「仕事が集まってくると、人も集まってくるもの」なんです。ただ、依頼側の心理として、自分たちが仕事の依頼をしていることを競合他社にバレたくない、という要望が大きくて、非公開の仕事が多かった。そうなると、仕事があまりないように見えちゃうんですよね。

荻原:でも、その壁も超えていったわけだよね。逆に、依頼側はどうやって集めたの?

和田:実は、中小企業さんを集めるほうが難しかったです。立ち上げの最初の2年くらいは、Draftだけでお客さんを集めようとして、すごく苦労しましたね。今はソウルドアウトとうまく連携していて、Draftの方が相性のいいお客さんはDraftで対応をするなどもしています。

荻原:そうだね。それがうまくいき始めたのも、2017年になってからだよね。試行錯誤の連続だよね。でも2年間もうまくいかなかったのはなんでだったんだろう?

和田:まず自分たちのサービスだから、顧客集めも自分たちでする、と考えていたところが大きかったんだと思います。そのために他の会社のサービスと提携するなど、いろいろな手を打ってみたのですが、結局は泣かず飛ばずになってしまって。

荻原:事業を立ち上げて儲けるっていうのは、簡単じゃないんだよね。その挑戦を時間かけて経験した。その間、数字的には全然目標に届いていないからね。

和田:この数字の話については、本当に頭が上がりません…。ありがとうございます。

荻原:でも止めさせない。お客さんの課題解決のためには、続けていくべきだと思ってるからね。

―――ソウルドアウトともっと連携していく転機になったのは?

和田:ソウルドアウトの中に藤村という新卒3年目の女の子がいるんです。その子が僕に、「私たちは、もっとDraftの力を貸してほしいんですよ」って無邪気に言ったんですよね。

―――現場で、中小企業を支援してる若手の声だったんですね。

和田:確か、何かの飲み会でした。「私たち、もっとお客さんにDraftを活用したいんです」って。それで僕も「営業現場って、そう思ってるんだ。だったらもっと協力すればいいじゃん」って、肩の力が抜けたんです。そこから、少しずつ回り始めました。

荻原:実は、現場では相思相愛だった、と。いい話。

和田:それで自分たちだけでやらないといけない、っていうプライドは捨てて。それが、ソウルドアウトとの連携が始まったきっかけですね。

―――最初は、お互いに戸惑いはなかったんですか?

和田:ソウルドアウト側から見ると、Draftが提供してるサービスが不安だったんだと思うんです。やっぱり、フリーランスや副業の方に任せて、本当にソウルドアウト以上に価値を提供できるのか、大切なお客さんを本当に紹介して大丈夫なのか?っていうのを、きちんと社内に対して伝えられなかったのが1つ大きいかなと思います。

荻原:そういう不安はもちろんあると思うんだよね。でも、それも説明して、お互い納得して、乗り越えるところから始まる。

和田:2017年からは、営業部からお客さんを紹介してもらい始めて、数十社ずつ対応企業が増えていますね。

荻原:素晴らしい。偉大なる第一歩。

和田:ソウルドアウトの営業ができることとDraftのできることはやっぱり違うので、その違いというか、差分をうまく使ってもらっています。お客さんのニーズに合わせて、サービスも変えて。

荻原:やっぱり実践してみて、経験が増えていくと進化していくよね。

環境の変化に柔軟に、これからも事業を伸ばしていく

―――最後に、Draftの今後について教えてください。

和田:まずはもっと登録者数も、案件の数も増やしていきたいですね。あとは、これから増えていくであろう、Webマーケティングの領域で人の作業を代替するようなツールには注目してますね。

荻原:Webマーケティング施策を完全自動化するツールが現れたら、それがDraftの競合になるかもしれないってこと?

和田:競合というよりも、そういうツールとDraftの人によるサポートがもっとうまく連携していけるといいと思うです。今までは、ネット広告代理店の、価値をどう棄損せずに安く提供するかっていうことを考えていたのですが、その発想を超えて、提供しているサービスのクオリティをDraftで高められるじゃないかと思っていて。

荻原:なるほど、そういう発想もあるよね。こだわりが強すぎて、前提をガチガチに固めちゃって失敗することもあるからね。新しいツールが出たら、その環境の変化に柔軟に対応していくって大切。

和田:そうですね。

荻原:手段まで凝り固まっちゃうと柔軟性を失う。流れが速い業界だと向いてないかもね。根底の理念が変わんなければ、いろんなお客様のニーズに合わせてサービス変えていくのは普通だと思うよ。

和田:そうですね。

荻原:最後に、僕から和田に希望を言いたい。このままDraftが大きくなっていって、ある程度のところを達成したら、別会社化してもいいじゃないか?周りの皆がそう思えるような、そんな気概でやってほしいっていう希望。会社化されればドメインも鮮明になる。それに経営っていう大きな意思決定ができるような場に立てば、また違った視点でサービスを広げていけるかも知れないし。

―――荻原さんから、アツいご要望が。まさに、挑戦ですね。

和田:ありがとうございます。

荻原:会社化する前提じゃないよ(笑)でも、スケールするってことは多くの方に役立っている証明でもあるし、それぐらいの気概を持って欲しいよね。だから今の段階から、いろいろ失敗したり悔しい経験したりすればいいと思う。やる前から否定ばっかりして悟っちゃうよりも、何かアクションして怒られて、気づいて変えてみたいな、そういう連続からしか成功は生み出せないから。ビビらず、その回転数を上げていくことが大切。

和田:まずは、そこまで行けるように。

荻原:今日の話を聞いたら、和田たくましくなったな、って思った。これからも期待してるよ!

和田:はい、ありがとうございました!

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