Editor’s Discovery~テクノロジーを活用し、人事採用領域に革命を。誰もが自分の能力を発揮できる社会をつくる~

その他
2019.09.27
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全国には、より良い未来の実現のため、強い想いを持って新たな取り組みに挑む中小・ベンチャー企業が存在します。「Editor's Discovery」のコーナーでは、SOUL of Soldout編集部が実際に企業を訪れ、挑戦のストーリーをお伝えします。今回は、テクノロジーを通じて企業と社会の改革を目指す株式会社ZENKIGENさんに伺いました。


サラリーマンの行き交う東京・大手町のビル街。多くの企業が入居するビルの6階に、株式会社ZENKIGENのオフィスはあります。奥へと進むと、ビルの中とは思えない、緑に溢れた開放的な空間が。働きやすい環境が整備されていることを感じます。今回は、採用を効率化するサービスを生み出すなど、人事採用領域にテクノロジーを取り入れた挑戦を続ける、株式会社ZENKIGEN代表取締役社長の野澤比日樹(のざわ・ひびき)さんにお話をお聞きしました。

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野澤 比日樹(のざわ ひびき)
株式会社ZENKIGEN代表取締役CEO

動画を活用して人事採用を変える

畠中:はじめに、ZENKIGENさんの事業内容をお聞かせください。

野澤:企業の採用を効率化する動画面接プラットフォーム「HARUTAKA」を運営しています。主な機能は二つで、一つは応募者が自身を撮影・録画して企業へエントリーすることができる機能、もう一つが来社をせずともオンラインで動画面接ができる、ライブ面接の機能です。

現在は、大手から中小・ベンチャー企業まで百数十社にご利用いただいています。業種や業態に関わらず、とにかく良い人材を採用したい、そのためには新しいものを積極的に取り入れていこうとされる採用担当者がいる企業様に支持していただいていますね。

他のオンライン動画サービスとHARUTAKAとの大きな違いは、ライブ面接自体も録画でき、データ化して面接者のパーソナル情報と紐づけできる点です。後から複数人の担当者で確認することもできるので、応募者の管理が簡単になります。

動画でのエントリーにはアプリダウンロードなども不要で、URLをクリックすれば応募画面に進むことができます。オフラインで面接しているような流れになるよう、UI・UXにこだわっています。

写真

畠中:私も一度体験させていただいたのですが、おっしゃる通り「いま面接をしている」感じがしました。

野澤:応募画面の最初に採用担当者の映像を出して挨拶をするなど、臨場感が出るように工夫していますね。

応募画面には、希望の職種など面接で聞きたい質問事項を80項目まで登録でき、動画以外にもチェックボックスやテキストで返答してもらうこともできます。この機能を使用すれば、履歴書などの書類選考や面接の日程調整、連絡などの工程を飛ばし、一気に一次面接まで完了できるんです。

採用担当者にとってはもちろん、採用までのステップが短くなることは応募者にとってもプラスになります。特に地方の学生さんの場合、時間と交通費をかけて面接に行くのは大変だろうし、書類だけではなく動画を見て判断してくれるという納得感もあると思います。企業と応募者、双方にとってメリットが大きいサービスだという実感があります。
 

確信を持って挑戦した領域

畠中:現在のサービスを着想し、人事採用領域で事業をはじめようと思った背景を教えてください。

野澤以前サイバーエージェントに勤めていたころ、藤田社長によく言われていたのが「伸びている業界に張れ」ということでした。サイバーエージェントが急成長できたのは、個々の能力だけでなく、インターネット市場が拡大する波に乗れたのも大きな要因なんです。そのため、起業を考え始めた時、今後伸びる人事採用領域でビジネスをしようと思いました。

実は日本の採用の領域は、テクノロジーが急速に発展した今でも全く進歩していません。空前の人手不足と言われ、とにかく人を採用したくても採用できない企業が多い昨今なのに、人事は20年以上前からずっと昔ながらのやり方を続けているんですね。

結果、手が足りなくて内定者のフォローが追いつかず、せっかく手間暇かけて人を採用しても辞めていってしまうという悪循環。なぜ変えられないのかと思うと同時に、「ここにテクノロジーを投入すれば悪循環を解消できる。ビジネスチャンスだ」と感じました。

そこで考えたのが動画サービスでした。人事採用に特化した動画サービス自体は、アメリカで10年以上前から一般化していて、日本にも必ずその波が来ると思ったんです。

加えて、そのサービスなら自分の強みのBtoBの営業力が活かせると思いました。日本では人事部がローテーションするので、新しい仕組みを取り入れるより慣例を踏襲している方が安心という心理が働きやすいと思います。そのため、新しい技術を取り入れるのが難しい状況でした。その点、我々は経験を活かし、お客様の課題感に合わせたやり方を組み立て提案できるので、この領域なら絶対にいけると確信を持っていました。

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畠中:市場やご自身の強みからの確信があってスタートされていたんですね。サービスを作り上げる上での挑戦や、こだわった点を教えて下さい。

野澤:一番のハードルだったのはセキュリティです。営業戦略上、まずは実績をつけるために大企業への導入を狙っていったのですが、大手はセキュリティのチェック項目がとにかく厳しくて。セキュリティチェックに通らず導入を見送られてしまうことがありました。
そこで、「ISO27001(ISMS認証)」という日本で最も信頼度の高い国際規格のうちの一つを取得しました。これによってセキュリティで引っかかることはほぼなくなりました。

あとは、UI・UXは非常にこだわった部分です。特に、応募者にアプリをダウンロードさせないのは大きなポイントです。競合他社のサービスの場合、動画エントリーをするためにはアプリストアで専用アプリのダウンロードが必要です。その時点で応募者が離れてしまう可能性が高いんですね。

我々のサービスの場合は、メールのURLをクリックすると即案内がスタートするので、手間も違和感もなく面接を進めていただくことができます。

他にも、ライブ面接がスムーズに進むよう、システムにもこだわっています。「繋がらない、途切れる」とお客様からクレームがきたことが発端で、大きく改善を図りました。面接は人の人生が変わるかもしれない場。ストレスなく、しっかり話ができるよう工夫していますね。通信環境の良し悪しを事前にチェックしてからログインできるようにしたり、通信環境が悪くなったら画質を落とし、音声のみに切り替えるという使い方ができるようにしたりしています。


 

信念が自分を突き動かす

畠中:これまでありそうでなかったサービスなんですね。今までにないということは、誰もやっていない領域へ挑戦されてきたということ。野澤社長はなぜ、挑戦し続けられるのでしょうか。

野澤人事採用領域が必ず伸びるという確信と、そこにテクノロジーを投入しないともう企業は回らないだろうという感覚があったから、挑戦に踏み切れました。でも実は、それはビジネスとしてのテクニカルな話で。自分の中ではもっと手前にある、「なぜやるのか」という理由の方が重要ですね。

その理由は、そのまま社名にしています。「ZENKIGEN」は「全機現」という禅の言葉、「人が持つ能力のすべてを発揮する」という意味なんです。僕は、全ての人が自分の能力を発揮できる社会を目指しています。そのために事業を始めたんです。

ソウルドアウトさんもそうですが、サイバーエージェントも、若者が夢を持って精力的に働いている会社で。上司にも率直に意見を言えて、新しいことにどんどん挑戦できるような環境でした。

でも、普通の会社だとなかなかそれが難しいんですよね。ヒエラルキーがあり、何十年もやり続けてきた人の指示で、言われたことをこなしていくだけになってしまう。そういう人を見ると、この人は全機現しているだろうかと思うんです。

僕の周りにいるのは「俺が日本を変える」と言うような、熱くてかっこいい、全機現しているおじさんたちばかりです。そんな大人が増えれば、社会はもっと活気づくと思っています。そしてそんな大人を見て育つ子どもたちは、将来への夢や希望を持つようになる。そういう社会を次世代に残していきたいという想いで、挑戦を続けています。

「人が持つ能力のすべてを発揮する」社会に

畠中:自分の信念があるからこそ、挑戦を続けることができるんですね。最後に、今後のビジョンについて教えてください。

野澤今はまず採用分野で人事の負担を減らし、その後は入社した社員が生き生き働ける環境づくりに取り組みたいと考えています。東京大学との共同研究で、AIを使って声から感情を見える化するシステムを開発中です。

そのシステムでは、声から人のメンタルを分析し、うつ傾向や話している相手への感情などを読み取れます。例えば、チームメンバーの精神状態や人間関係を可視化することで、その人のコンディションだけでなく上司の共感能力も測れるようになります。そうすると、自分の出世しか考えられないような上司の評価は下がり、上層部には部下と良い関係が築ける共感能力のある人が増えていく。企業の上層部全てをそんな風にすることができたら、世の中が変わると思っています。基礎技術はできているので、その技術を応用したプロトタイプを開発中です。

僕は採用サービスだけで留まるつもりは全くありません。その先にある、入社後の社員が働きやすい環境を作ることも、極めて価値のあるビジネスだと思っています。みんなが全機現できる社会になれば、働く社員もそれを見て育つ子どもたちも、みんなハッピーになるはず。そんな社会を実現させる事業を作ることが、僕がこれまで20年かけて培ってきた力の集大成であり、人生を懸けることに値する目標だと思っています。
 

編集後記

前職人事の経験があったので、HARUTAKAのサービスに実際に触れてみて驚いた。遠隔面接の時に感じやすい機械的な印象が、一変してリアルに面接している感覚になる。
伸びる市場で、自分が事業をやる意味を持ち「自分の20年間のビジネス経験の集大成」という言葉が印象に残っている。更に、将来的には、テクノロジーを駆使して、組織における人間関係の可視化や、道徳次元の高さを取り入れたサービスを開発したいという。
会社に入社して終わりでなく、その後も豊かに仕事ができる世の中を目指し、次世代に役に立つことを基準に生きている姿が素敵な野澤さんでした。

 

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