倒産寸前からリーディングカンパニーへ。逆境の中で信念を貫き、事業を確立するまでの道のりとは。

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2020.04.24
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これから結婚するカップルを対象に様々なオンラインサービスを展開する株式会社ウエディングパーク。メイン事業であるクチコミを活かした結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」は、多くのユーザーから支持を得る業界最大手のメディアです。業界でタブー視されていたクチコミサイトの立ち上げと運営には、知られざる苦労があったようです。どんな想いで会社を経営してきたのか、代表取締役社長の日紫喜誠吾氏にソウルドアウト株式会社 取締役CMO美濃部哲也がお話を伺いました。
※このコンテンツは、2020年1月30日に対談・インタビューしたものです。

日紫喜 誠吾(ひしき せいご)
株式会社ウエディングパーク 代表取締役社長
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日紫喜 誠吾(ひしき せいご)
1976年生まれ。1998年に同志社大学工学部エネルギー機械工学科を卒業後、株式会社キーエンスに入社。その後、将来の起業を目指して急成長のネット業界へ転職を決意し、2000年に株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告代理事業のマネージャー、局長を経て、2004年にサイバーエージェントの100%子会社として設立された株式会社ウエディングパークへ出向。2005年に代表取締役に就任し、現在に至る。
美濃部 哲也(みのべ てつや)
ソウルドアウト株式会社 取締役CMO
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美濃部 哲也(みのべ てつや)
1969年生まれ。1993年に株式会社電通に入社。その後、株式会社サイバーエージェント常務取締役、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ取締役営業統括本部長、タビオ株式会社執行役員マーケティング本部長、株式会社ベクトル執行役員などを経て、2017年3月に当社に執行役員として参画。2018年4月より当社取締役CMOに就任。マーケティング、ブランディング、サービス立ち上げなどを通じて、中小・ベンチャー企業の成長を支援。

すべてはユーザーのために。自分の感覚を信じ、事業立ち上げ

美濃部:まず、事業内容について教えて下さい。

日紫喜:現在のメイン事業は、日本最大級のクチコミ数を誇る結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park(ウエディングパーク)」です。結婚式を検討しているカップルが、クチコミを参考にして式場を探せるサービスで、検索できる式場は全国で約5,000会場となり、業界最大規模になりました。現在はハワイなど海外の式場が探せる「Wedding Park海外(ウエディングパーク カイガイ)」や、フォトウエディング・前撮りの検索サイト「Photorait(フォトレイト)」、婚約・結婚指輪のクチコミ情報サイト「Ringraph(リングラフ)」、結婚衣装選びのクチコミ情報サイト「Wedding Park DRESS(ウエディングパークドレス)」なども展開し、いずれも順調に成長しています。

美濃部:日紫喜さんは元々親会社の株式会社サイバーエージェントで営業をされていましたよね。

日紫喜:はい、営業部門の局長を務めていました。2004年にサイバーエージェントがウエディングパークを子会社化したタイミングで、社長の藤田から「ウエディング事業をやることになったんだけど、やってみる?」と声を掛けられまして。いつか経営者になりたいという思いもあり、「やります」と即答したんですが、その時点では業績など詳しいことは何も知らず。蓋を開けてみたら業績は大変厳しい状態で、創業者2人だけで会社を何とか回している状態でした。
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美濃部:会社の危機を脱するために、クチコミサイトへの転換をするという決断をされたということですね。

日紫喜:当時クチコミサイトは他業界では成功例が出始めており、結婚式という人生のビッグイベントで失敗したくないカップルにとって、クチコミは絶対に役立つサービスだと思いました。私自身既に結婚していましたが、一個人としてもそんなサービスがあったら良かったなというリアルな感覚がありました。創業者2人からは「クレームの嵐になる」と不安視されましたが、自分の感覚を信じて押し切りました。

殺到するクレーム。それでも絶対に譲らなかった信念

美濃部:ブライダル業界でクチコミサイトを立ち上げるには、大変な苦労があったと聞いています。

日紫喜:サイトでは明らかな誹謗中傷のコメントなどを除いて、ほぼ全てのクチコミを掲載しており、毎日数百件近いクチコミに、私自身が目を通して承認していました。承認作業をする時間は、夜の10時と決めていました。クチコミを寄せて下さった新郎新婦が、翌日の朝サイトを見たらアップされているというのがユーザーの満足に繋がると思ったので。

ただ、ブライダル業界はイメージ産業でもあります。「柱が邪魔で新郎新婦が見えにくかった」など、式場にとっては書かれたくないようなネガティブなクチコミも掲載していたので、創業者の指摘通り式場からのクレームが殺到しました。「クチコミを消してくれないなら今後広告費は出さない」とおっしゃる方もいて、苦しかったですね。「社長を出せ」とお叱りも受けました。毎日深夜までクチコミの承認作業をして、承認したそのクチコミによって翌日朝一でクレームの電話を受けるという日々でした。

美濃部:式場からのクレームには、どう対処されていたんですか?

日紫喜:クチコミを消すことはしませんでした。結婚式を挙げるカップルに絶対に役立つことをしているという強い想いがあったからです。広告契約を打ち切られることもありましたが、「より良い結婚式を提供するために、いつかこのクチコミを参考にしていただけることを僕たちは信じています」と言い続けました。

クチコミの質が高まるように投稿を会員制にしたり、式場側がコメントに返信できるようにしたりして、サイトの健全化も図りました。5年ほどは不安定な状態が続きましたが、結果的にユーザーにとても受け入れられるものになり、徐々に軌道に乗っていきました。現在ではユーザーからのクチコミを元に、式場に対して提案型の営業ができるようにもなりました。

美濃部:そうした営業活動ができるのも、初期の段階で信念を譲らなかったことが大きかったのでしょうね。その後、2010年に料金体系に関するビジネスモデルを変更されたそうですね。これにはどのような背景があったのでしょうか?
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日紫喜
当時はクリックされた分だけ広告費が発生するクリック課金システムだったんですが、時期的な変動も大きく、中長期的な収益を見込み、経営を安定させるためにも、固定料金制への変更が必要だと感じました。

美濃部:会社の将来のために、大きな決断をされたわけですね。

日紫喜:はい。ビジネスモデルの変更は一筋縄ではいかない部分もありましたが、このときの一連の経験を通して私も社長として一皮剥けたといいますか、自分自身で会社を引っ張っていく覚悟がより定まったように思います。結果として、この時の判断によって収益性が上がり、今では会社も約200人規模の組織にまで拡大させることができました。

組織に一貫性を生んだ、ワーディングの力

美濃部:社員が増え、展開する事業も多岐に渡れば、それをまとめあげるのも大変な苦労だと思います。組織作りについて何か取り組まれたことがあればお聞かせ下さい。

日紫喜:サービスの開始から固定料金制に変更するまでは、事業を軌道に乗せるために必死で…。組織作りにはあまり意識を持てていませんでしたが、今後会社を発展させていくためにも、会社としてのカルチャーを創り上げる必要性を感じていました。あるサイバーエージェントの役員から「会社をスケールさせるためには、ワーディングが大事だ」と言われていて、ビジョンと経営理念、行動規範を言語化しました。ウエディングパークが掲げたビジョンは、「21世紀を代表するブライダル会社を創る」、そして経営理念は「結婚を、もっと幸せにしよう。」というものです。ちょうど新卒採用を行った時でしたので、飲み会などの場で、社長である私自ら社員に説き続けました。
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美濃部:私が過去に在籍した株式会社テイクアンドギヴ・ニーズでも、「いいウエディングには、小さな奇跡が溢れている。」という言葉が決まってから、自分たちがどうしていったらいいかの判断基準ができました。ソウルドアウトでも、同じくワーディングは重要視しています。2018年5月に「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ。」というミッションステートメントを掲げてから、お客様や新卒採用の学生から共感されやすくなっていて、同時に、社員の定着率にも貢献しています。

ミッションやビジョンを明確に掲げたことで、社内だけではなく、取引先との関係においても変化があったのではないでしょうか?

日紫喜クライアントや業界の方々から「ウエディングパークはいい会社だよね」とお声がけいただくことが増えました。クライアントへの対応においても、社内への企画提案においても、社員一人ひとりがマインドとして一貫性を持てるようになった結果だと思います。社員に自社のファンになってもらうためにも、こういう会社を作りたいのだというビジョンを明確に示したことには大きな意味がありました。ビジョンや、経営理念という旗印を立てたことで、ウエディングパークという会社の人物像やブランドが少しずつ出来上がってきたように思います。

ITで業界をサポート。21世紀を代表するブライダル会社へ

美濃部:最後に、今後の展望についてお聞かせ下さい。

日紫喜:サイトでの集客だけでなく、式場の経営自体のデジタルシフトをサポートしていきたいと思っています。今ブライダル業界も人材不足という課題を抱えています。例えば一度カップルが式場に相談に来ると、プランナーの方は最低でも接客に2、3時間費やす必要があります。挙式契約につながればいいのですが、契約に至らないケースがあまりにも多いと、現場がどんどん疲弊してしまうんです。その点を解消すべく、カップルと式場のマッチング精度を高める機能開発に取り組んでいます。他にも式場の現場では、労働としては過酷な面がいまだにあります。自動化できるところは自動化し、生産性も上がれば、離職率も抑えられると考えています。インターネットサービスを通してブライダル業界に貢献できることであれば、幅広く実践していこうと思っています。

美濃部:ブライダル業界にとって頼もしい存在ですね。御社の社内でもデジタルシフトに取り組まれているのでしょうか。

日紫喜:自社では、2016年にAI Labという組織を立ち上げ、生産性の向上に取り組んでいます。最近注目しているのは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。人的にやっていた業務の一部を、AIによる画像認識技術を使って自動化し、人や時間のコストを削減できた事例もあります。また、人事の領域もデジタル化をすすめています。社員の人事情報をデータ化して管理することで、より社員の状況がわかりやすくなるので、適材適所などのような社員の活躍支援に役立てていきたいと考えています。単にテクノロジー開発だけでなく、その運用力も含めて、「21世紀を代表するブライダル会社」を体現していきたいと思っています。

美濃部:まさに、デジタルシフトを取り入れていくことは、よりいっそう「21世紀を代表する」にふさわしいですね。業界の未来と日本人の幸せのために、ますますご発展していくことを願っています。本日はありがとうございました。
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日紫喜誠吾氏 著書
「僕が社長であり続けた、ただ一つの理由 ウエディング業界に革命を起こした信念の物語」
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■サービス紹介
業界最大級の式場クチコミサイト「ウエディングパーク」
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パンくず

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