企業のミッション&カルチャーがより重要視される時代。今、中小・ベンチャー企業の採用活動に必要なこと。

その他
2020.07.21
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ソウルドアウトは「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ。」をミッションに掲げ、創業以来デジタルマーケティングを中心に、日本全国の中小・ベンチャー企業を支援してきています。今回、その支援の幅を広げ、日本全国の中小・ベンチャー企業の人材採用領域での支援を開始します。

サービス立ち上げの経緯や構想中のサービス内容について、ソウルドアウト株式会社 代表取締役会長CGOの荻原猛と、社外取締役で企業のブランド戦略立案を手掛ける中央大学大学院 戦略経営研究科教授の田中洋にお話を伺います。

※このコンテンツは、2020年5月15日にオンラインで対談・インタビューしたものです。本文掲載中の写真は、一部実際の取材中の写真ではありません。

田中 洋(たなか ひろし)
社外取締役
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田中 洋(たなか ひろし)
株式会社電通で、大手企業や外資系企業のブランディング戦略の立案と実行に携わり多くの実績を残す。2008年4月より中央大学大学院戦略経営研究科教授。2017年4月より日本マーケティング学会会長就任。マーケティング戦略・ブランド戦略の領域で第一人者として活躍。著書『ブランド戦略論』(2017年、有斐閣)は「日本マーケティング本大賞2018 大賞」と「2018年・日本広告学会賞」をダブル受賞。
荻原 猛(おぎわら たけし)
代表取締役会長CGO
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荻原 猛(おぎわら たけし)
1973年生まれ。中央大学大学院戦略経営研究科修了。経営修士(マーケティング専攻)。大学卒業後、起業。2000年6月に株式会社オプトに入社。2006年4月に広告部門の執行役員に就任。2009年に当社を設立し、代表取締役社長に就任。著書に『ネットビジネス・ケースブック』(2017年 同文舘出版 田中洋共著)がある。2019年3月より代表取締役会長CGO(=Chief Growth Officer、最高事業成長責任者)に就任。

「ヒト・モノ・カネ」の「ヒト」の番がやってきた

ーなぜソウルドアウトが採用支援を始めようと考えているのか教えてください。

荻原:実は創業当初から、インターネットを使って事業を拡張していきたいと考える日本全国の中小・ベンチャー企業の「ヒト・モノ・カネ」を全般的に支援したいと考えていました。 

まずWeb広告(リスティング広告)から始めたのは、私たちに最初に求められているのが中小・ベンチャー企業にとって一番大切な売上を上げるための成長支援だと考えたからです。その後、デジタルマーケティング・ブランディングへと支援を拡大し、いよいよ「ヒト」への支援として、まずは採用支援を展開していこうとなりました。

きっかけとなったのは、自社で新卒採用したメンバーが入社して4年目、5年目あたりから会社の中核を担うまでの成長を目の当たりにしたことです。新卒メンバーが部長になり、組織を固めているのを見ると感無量。こういう組織の作り方・成功事例を、採用に課題を抱える他の企業様にもお伝え出来るのではないか、と思ったのです。

また、昨年入社した新卒社員が「地元で働きたいと思えるほどの魅力的な会社が少ないことに驚きました。いつの日か地元に戻り、自分の手で魅力的な企業を作りたいです。」と言っていたこともきっかけのひとつです。その言葉に衝撃を受け、企業の魅力をきちんと伝え、「地元で働きたい!」と思っている人にマッチングできるよう採用面からもサポートしようと思いました。

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田中:地方の中小・ベンチャー企業にとって、人材はすごく大切です。新卒社員など「人を惹きつける企業にするにはどうしたらいいか」ということに取り組まなければという問題意識は正しいと思いますね。そのためには、企業ミッションの設定や、ブランドメッセージが重要になってきます。

例えば、農業機械などを製造している株式会社クボタという会社があります。社員研修に呼ばれて同社を訪れた際、新入社員の皆さんに「なぜ、クボタに入ったのですか」と聞いたことがあります。すると多くの人が「砂漠に緑を」という広告に惹かれたからだと答えました。それが私には目から鱗で、企業はミッションやブランドシンボルによって、ものすごく人を惹きつけることができるのだと実感したんです。改めて、魅力的なミッションやメッセージングは大事だと感じました。

業務内容ではなく、ミッションによる採用活動の成功

ー過去、どうやってソウルドアウトが新卒採用を成功させたのか教えてください。

荻原:最初に新卒採用活動を始めたのは2012年でした。始めた理由は中途採用がうまくいかなかったからです。いくら人を採用しても弊社をキャリアステップとして、一定の経験を積むと、他の大手企業に転職してしまうという課題がありました。

年収500万円だとして、1人を採用するのに人材エージェントに支払うのは3割から4割ほど、つまり150万円以上の紹介料に加え半年ほどの教育コストがかかります。それらがすべて無駄になり、中途採用は大失敗でした。

とはいえ、全員が転職したわけではなく、ソウルドアウトに根付いてくれる社員もいました。その違いは何なのかをヒヤリングして分析した結果、理念への共感度が高いことが分かりました。「親父が中小企業の社長で、中小企業のサポートがしたいと思ってて」と考えるような人たちが多く残っていたんです。

そこで、中途採用は抑えて、自社の理念を全面に打ち出した新卒採用に切り替えました。採用支援会社が集めてくれた学生に対して、私が理念を語り、それに共感してくれた人を採用していったのです。初年度は最終的に20名ほどの新卒入社が決まりました。

その後、掲げるようになった「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ。」という言語化されたミッションは、既存社員にとっても大きな指標となっているようです。「社会をどうしていきたいのか」という社会課題と照らし合わせた形のミッションは、強く人を惹きつけるのだなと思いました。

田中:新卒採用を始めた当時、荻原さんと話していて印象深かった言葉があります。ソウルドアウトは「広告代理店を志望している」だけの学生は採用しないとおっしゃっていたのです。私たちはインターネット広告を扱っているけれども、インターネット広告会社ではないと当時からおっしゃっていました。これはなかなかいい点を突いているなと思いました。マーケティングの観点でいくと、「広告代理店」という括りにおいては、ある種の序列の中に組み込まれてしまうんですよね。自社をその枠から外して捉えているのは非常に良いと、当時から印象深く聞いていました。まさに業務内容ではなくミッションを言語化し、ミッションによって採用を進めていった例だと思うのです。

ミッションを明確化したことで、企業が活性化している例は他にもいくつかあります。亀戸天神の前にあり100年以上の歴史を持つ船橋屋というくずもちの会社があります。8代目である現在の社長は以前金融機関に勤務しており、就任後は近代的なマネジメントを実施しようとしたそうです。しかし従来のカルチャーと全く違うマネジメントに職人さんが反発し、人がたくさん辞めて苦労したそうです。そこで、改めて見直したのがミッションでした。社会的に「船橋屋は何の役に立つのか」を考え続けた結果、くずもちが和菓子の中で唯一「発酵食品」だということ。「発酵食品のすばらしさ」を広めていくのが私たちのミッションだと掲げ、会社の仕組みも色々と変えていきました。すると会社が非常に活性化し、業績が上向き、新卒の応募率も非常に上がったそうです。

また埼玉県にある石坂産業という会社もミッションや事業の在り方を変え、大胆な施策で成功されている企業のひとつです。石坂産業は産業廃棄物の処理会社です。産業廃棄物処理業は世の中にはとても必要な事業ではありますが、地域住民からはあまり歓迎されない事業でもあります。その事業を継いだ女性社長が、人から嫌われるような仕事はやめようと、産業廃棄物を燃やすことを止めました。燃やさずにゴミを圧縮して、熱料に変えたのです。プラントを全天候型にし、ゴミを外に出さずすべて屋内で処理できるようにし、プラント以外の敷地は自然の公園にしました。遊べるだけでなく、環境について学ぶこともできる公園です。「すべてのゴミを資源に変える」「自然と美しく生きる」というミッションやスローガンに変え、事業そのものも変革していきました。社員がその会社で働く意義を感じ、採用力も飛躍的に高まっていった好例だと思います。「社会にとって、自社が何のために存在するのか」を明確に掲げることは非常に大切ですね。

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人を惹きつけるミッション、定着のカルチャー

ーソウルドアウトは新卒入社後の離職率も低いそうですが、なぜそうなっていると思われますか?

荻原:常日頃、「お金の重み」については伝えていました。「中小・ベンチャー企業と大企業にとっての100万円は、同じ金額でも重みが違うよね。だから大切なお金はきっちり運用しよう。“1円の重み”を大切にしよう」と。そういう言葉というか、想いが集まってカルチャーになって、そのカルチャーは社員が育てていってくれた気がします。今は、社員から挙がったソウルドアウトのカルチャーを「8 SOULs(エイト ソウルズ)」として言語化しています。

生み出されたカルチャーは、同じ理念に共感する全新入社員にフィットします。おかげで、新入社員がさらに頑張りたいと思える環境が生まれ、離職率も減っていきました。

ーソウルドアウトが今後展開しようと考えている採用支援のあり方を教えてください。

荻原:自社で成功したやり方をパッケージ化して、他の企業様にも展開していきたいと考えています。自社でたくさんのチャレンジと失敗を重ねた分、有意義なサービスになり得ると思っています。

自社の新卒採用がうまくいった要因はミッションを言語化してしっかりと打ち出し、カルチャーを構築して浸透させていったことにあります。なので、我々が提供する採用支援では自社のミッションおよび企業カルチャーを明確にすること、ミスマッチな採用を防ぐことの大きく2点をお手伝いしたいと考えています。

それができれば、採用数を担保し、離職率を下げられると思っています。そのために、オウンドメディアや、自社の採用サイトを通してきっちりミッションとカルチャーを伝えていくお手伝いをしていきたいと考えています。

ミッションを持っている企業は、持っていない企業より多いです。ただ「日本を救う」とか「世界平和と笑顔を」など、そのミッション自体がとてつもなく大きい企業様が多いです。2代目、3代目社長も多いので、先代が作ったミッションはあるけど、あまり活用できていないという企業様も多いと感じています。そんな企業様に対して、改めて自社のミッションを見直し、求職者に向けて発信するお手伝いがしたいのです。 

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田中:私も同じ認識です。ミッション、いわゆる社是というものは、大きく墨で書いてあって応接間の額縁に飾ってあったり、さらにそれが日光で黄色に変色していたりします(笑)。先ほど荻原さんもおっしゃっていたように、ミッションが大きすぎて抽象的である場合が多いです。社員がミッションを自分ごと化や、自分の行動にどう落としたらいいのかが見えづらいんです。どうするか迷ったとき、ミッションを踏まえて社員が自分で判断できるようなものがいいと思います。

リモート化でますます重要になるミッション

ー今後、採用のあり方はどう変わっていくのでしょうか。

荻原:新型コロナウイルス感染症の影響もあり、求職者の間で働くことに対する価値観が大きく変わりつつあります。またリモートワークもより一層広がるでしょう。

物理的に離れていても社員同士で協力してひとつの物事に取り組むためには、協力し合える人間関係を作れるかどうかが大事です。その環境が作れるかは企業にとって大事な競争力のひとつになると思っています。そうなったとき、「社会に対して、何をする会社か、社会や未来をどのようにしていきたい会社か」という企業が掲げるミッションはより重要になると考えています。ミッションがある会社は、物理的な場所が離れていても、ひとつの言葉で強く結ばれている強さがあります。

今後はどの企業でも、価値観の変化をイメージしながら会社の採用制度を整える必要があります。我々としてはそれぞれの企業の核となる考えを磨くお手伝いに携わっていきたいと考えています。

 

■ソウルドアウト採用ページはこちら※2020年7月7日(火)リニューアル!
■新卒採用支援事業 「ミッション・カルチャー・リクルーティング」を2020年7月7日(火)より開始

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