ブランド品リユース事業に最適化したデジタルシフトを実現。爆買い需要後の冷え込みを越え、前例のない施策で未来を拓く|株式会社コメ兵様

ワークス
2019.05.27
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企業の数だけ課題があり、ストーリーがある。「WORKS」では、中小企業が課題を乗り越えたストーリーを、伴走者であるソウルドアウトとの対談形式でお届けします。ブランドリユースストアKOMEHYOを運営する株式会社コメ兵マーケティング統括部IT事業部シニアマネージャーの諏訪弘樹さんと、ソウルドアウト株式会社第一営業本部東日本営業三部部長の細川義仁さん、コンサルティング本部SEMコンサルティング1部部長補佐の津田翔平さんにお話を伺いました。

 

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諏訪 弘樹(すわ ひろき)
株式会社コメ兵 マーケティング統括部IT事業部シニアマネージャー
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諏訪 弘樹(すわ ひろき)
2004年株式会社コメ兵入社、2005年にブランドバッグの専門部署にて販売・買取業務を担当、2010年WEB事業室立上スタッフとしてカスターマーサービス・CRMを担当。2015年4月に営業企画部へ異動し、店舗開発を担当。2016年11月にマーケティング統括部のIT事業部へ異動しデジタルマーケティングに従事。
細川 義仁(ほそかわ よしひと)
ソウルドアウト株式会社 第一営業本部東日本営業三部部長
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細川 義仁(ほそかわ よしひと)
2013年株式会社オプト入社、ソウルドアウトへ出向。2015年以降、「大阪・京都・名古屋」と地方拠点でデジタルマーケティング支援に従事。理念のひとつである"地方発全国"を体現。フィードやO2O施策を活用したデジタルマーケティング支援を行っている。『3度の飯より嫁』が好きを公言。
津田 翔平(つだ しょうへい)
ソウルドアウト株式会社 コンサルティング本部SEMコンサルティング1部部長補佐
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津田 翔平(つだ しょうへい)
2016年ソウルドアウト新卒入社。コンサルティング部配属となり、様々な業種の運用に従事。2017年上期に新人賞を受賞。2018年下期に部長補佐に就任、チームマネジメントと社内の媒体推奨設定など運用の高度標準化を推進するプロジェクトに取り組む。

爆買い需要後に、デジタルで新規顧客獲得へ方向転換

ーはじめに、コメ兵さんの事業内容について聞かせてください。
 
諏訪:宝石・貴金属、時計、ブランドバッグ、衣類、カメラ、楽器等幅広い商品の販売・買取を行なっています。全国に37店舗を展開するほか、オンラインストアも運営しています。

―お二人は、どういった経緯で一緒にお仕事をするようになったのでしょうか。
 
諏訪:オンラインストアの立ち上げ時からお付き合いがありました。私自身は、ECのことが何もわからない状態からWEB事業室に異動になり、そこから一旦店舗開発の出店担当を経て、現在のオンラインストアの担当になりました。

ー当時はどんな課題感がありましたか。

細川諏訪さんと一緒に始めた頃は、中国のインバウンド需要、いわゆる「爆買い」の影響で売上の高い時期もありました。しかし、徐々にその熱が冷め売上も落ちたため、広告プロモーション自体の方向転換をしていく必要がありました。

諏訪:そうですね。インバウンドが不調になったこともあり、数店舗を閉店しました。コメ兵はこれまでリアル店舗を重視して規模拡大を狙ってきましたが、コメ兵の強みでもある主要都市の大型店へ集約し、今までのオフライン中心だった考え方を変えていかなければならない時期がきていました。
そこで、Webを使ってどうやって方向転換していくのかを一緒に話し合いました。

細川:それまでは、サイトに流入してきたユーザーの購買や既存顧客の再販を狙う、主にリマーケティング広告の効率を高めることができると売上は上がりました。しかし、広告予算の抑制からサイトへの流入数が減少し、リマーケティング広告だけでは数字が落ち込んでいく一方でした。まずは、コメ兵さんの商品を求めている新規顧客を獲得するための施策を考えていきました。

 

多品種、一点もの、高単価。商品に合った前例のない施策を

ー具体的にどんな施策を行なっていったのでしょうか。
 
細川:リスティング広告と比べても圧倒的に低い単価でサイトへの流入数を増やすことができるGoogleショッピング広告を使い、ユーザーリスト(リターゲティングリスト)にユーザーデータを貯めました。その後、レコメンド広告を利用して新規ユーザーが接触した商品カテゴリのバナー広告で追客し、新規ユーザーの獲得につなげました。

諏訪:そうですね。ただ最初はすぐに効果は見えませんでした。それまで、指標としていたのが、広告費に対して何%の売上が上がったかを示すROAS(Return On Advertising Spend)でした。実は、既存顧客向け施策と比較すると、新規顧客向けのROASは1/10以下になったんです。

細川:これまでやっていた指標で測ると、「悪い結果」としか言えなかった。ただ、怖さはなかったです。調査をして仮説を立てているので、「大丈夫、踏み外さないだろう」と思っていました。「広告が不要なユーザーに表示されている」などの仮説もあったので、改善できると考えていたんです。実際に運用していたコンサルの津田は青ざめましたけどね。

津田:普段のROASと比較するとかなり下がっていたので、やばいです、やっちゃいましたと焦って報告しました。

諏訪:私はやばいとか、やめたほうがいいとは思いませんでした。直接的な売上だけではないと思っていましたから。直接CVでの売上でなくても、必ず売上には結びついてると考えていましたので、直接CVだけではない新たなKPIを常に考えながら、アトリビューション分析も交え、試行錯誤しながら、新規と既存、それぞれに最適な指標の数字を探していきました。

広告運用を最適化していった結果、最終的には、流入数が130%に、新規の会員登録数も140%に増えました。

ー既存客と新規客を分け、それぞれに最適な指標を追っていくことで、新規顧客の獲得でも成果を出せたんですね。施策の中で、特に難しかった部分はどこですか。

津田コメ兵さんの事業形態は、多品種かつ在庫の不安定な商品を扱わなければなりません。単価の変数も大きいため、どこに広告を出すかが非常に難しかったです。

そこで、アカウントの構成を抜本的に変えました。それに伴い、管理画面の計測方法も変えたんです。それまでは最後に取れたキーワードだけを評価していましたが、ユーザーは商品を比較検討した上で購入するため、接点ごとに評価を分割することにしました。

また、たくさんある商品を手作業で入札するには限界があったため、フルオートメーションを導入しました。自動化してすぐ成果が出る訳ではありませんでしたが、仮説検証を繰り返して機械学習をさせて、勝ちパターンを固めていきました。徐々に成果が上がるようになりましたね。

細川:あとは、指標がROASなので、商品単価も重視したよね。

津田:単価はかなり意識しましたね。最終的には、どのブランドが売れるのか、個別に商品分析もしていました。その結果、単価の高い商品と、そうでない商品にラベル付けを行い、細かく入札調整しましたね。通常であればブランド単位等で入札調整が可能ですが、ブランド内でも単価に大きな差がある(例:Louis Vuittonでもキーケースとモノグラムのバッグでは単価が全く異なるが、過去の仕様ではLouis Vuitton単位でしか入札価格を変更できなかった)ため、フィードを商品単価でカスタマイズし、5万~10万の商品単価ごとに入札調整を行えるように設定しました。新規流入と追客の観点から配信手法の仮説検証を何度も行いました。

―コメ兵さんの事例は、優れたデジタルマーケティングイノベーションを表彰するGoogle Partners主催の「Premier Partner Awards 2018」の検索広告部門で、「Search Innovation Award」を受賞されましたよね。

諏訪:すごいことだなと思います。受賞の知らせを受けて、私たちというよりソウルドアウトさんが素晴らしかったんだと思いました。

細川:僕も、諏訪さんや社内のコメ兵チームの皆に施策の実行部分をやってもらって受賞できたと思っているので、取り組んでいただいた方々が評価されたことが嬉しかったです。特に、津田は自分では言わないですが、ずっと頑張ってくれていましたから、感謝しています。

また、コメ兵さんとの取り組みを知った他の企業さんから声をかけていただくこともあり、今回の取り組みは他の地方、中小・ベンチャー企業の皆様にも良い影響を与えられるものだったことを実感しています。一緒に挑戦させてもらえて良かったです。2年連続の受賞を狙いたいですね。

 

仮説検証を繰り返し、正解のない道を切り拓く

―諏訪さんとソウルドアウトのお二人は、お互いにどんな印象をお持ちでしょうか。
 
細川:失礼かもしれませんが、あまり「お客様と代理店」という感覚ではやっていません。僕は売上向上のための提案や競合の動向などの情報を渡せるだけ渡してみて、諏訪さんと意見が合えば、実行に移していました。

他の企業様の中には、リスクを考えるあまりビジネスを広げる話までできない担当者様も正直いらっしゃいます。しかし、諏訪さんは新しい施策に対しても拒否反応なく、ポジティブで、「いいですね、やりましょう!」というスタンスで一緒に成果のために取り組んでくださります。もちろん、うまくいくことばかりではありませんが、その時も一緒に解決策を考えます。お取引先様ではなく、もうコメ兵様のWeb担当として働いている気持ちです。

津田:検証は大変でしたが(笑)、私も楽しかったです。信頼して任せていただけたことが円滑に進められた要因だったと思います。コメ兵さんで試した施策は社内でも他に例を見ないものばかりで、ヤフーさんやグーグルさんなどの媒体側にも事例がありませんでした。だから英語の説明を読み解きながら、一から作り上げていったんです。苦労することもありましたが、その分結果が出ると嬉しく、達成感のある案件でした。

諏訪:お二人は、最終的にしっかり成果を出していただける方々だと思っています。なので、細かい箇所にこだわって現状維持するより、新しいPDCAをどんどん回していけた方が良いと思っていました。私も質問しますし、自分でしっかり考え、過去実施した実績も振り返りながら、ご提案いただいたことには最終的なアウトプットがでるだろうと信頼しています。

うちには他社の営業の方もよくいらっしゃいますが、ソウルドアウトさんは「コメ兵だったらどうだろう」という点をしっかり考えてくれるんですよね。他社さんはいろいろな事例を持ってきてくれますが、結局それは他社の一例に過ぎません。うちのような、「膨大な商品数」「リユースの一点物ばかり」「高単価」といった特徴のあるビジネスは少ないですから。例えば、単価の低い日用品を扱っている会社の事例を出されても、私たちのビジネスとはマッチしないというようなことですね。ちゃんと私たちのビジネスをわかってご提案いただけるのが一番良いですね。
  
―最後に、今後のビジョンを聞かせてください。

 
諏訪今後は、オンラインストアからリアルの店舗への送客に力を入れて取り組みたいと思っています。また、販売だけではなく買取も強化したいですね。買取ができないと販売するものもなくなってしまいますから、会社のコアである買取にもWeb上で取り組んでいきたいです。

細川:僕たちも、さらに成果を出していくことは大前提として、新たなリスティング広告の運用をするだけではなく、成長に寄り添っていけるサービスを展開していきたいと思います。

例えば、Web上のユーザーがコメ兵さんの店舗に直接行くことは、顧客体験という価値があります。段ボールを送るだけでも商品の買取が完結する時代ですが、店舗に行って直接買取をお願いするとしたら、もっと来客数やリピート数が増えるかもしれない。

サイト単体の収益や流れを考えるだけでなく、オフラインも含めたユーザー体験を考えていけるようになりたいです。管理画面の数値だけを見るのではなく、仮説検証を繰り返しながら、店舗とWebの両輪で成果を伸ばすことのできるモデルを作っていきたいです。正解がない中で自分たちが道を作っていくことで 、他の企業さんにも成果を還元できるのではないかと思っています。

 

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「責任者自ら学ぶ姿勢が、社内にWebを浸透させた。強みを生かした差別化で、独自のブランドを追求する。

 

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