途上国に生きる女の子のために支援の輪を広めたい。潜在層に響くクリエイティブとコミュニケーションで認知を獲得。

ワークス
2019.09.26
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企業や組織の数だけ課題があり、ストーリーがある。「WORKS」では、中小企業や団体組織が課題を乗り越えたストーリーを、伴走者であるソウルドアウトとの対談形式でお届けします。第11回は、開発途上国の子どもを支援する活動をしている公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン広報マーケティング部マーケティングチームリーダーの久保田恭代さん、マーケティングチームの現場担当である横山秀さんと、ソウルドアウト株式会社デジタルマーケティング第三支援事業部、部長補佐の市丸翔大さんにお話を伺いました。

 

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久保田恭代(くぼた たかよ)
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン 広報マーケティング部マーケティングチームリーダー
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久保田恭代(くぼた たかよ)
出版社勤務を経て、プラン・インターナショナル入局。広報担当として、女の子への支援強化を訴えるキャンペーンをイギリス事務局にならって日本で開始。2017年に現職に着任後、マーケティング戦略や支援の柱であるプラン・スポンサーシップのメッセージングの見直しを進める。
横山秀(よこやま しゅう)
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン 広報マーケティング部マーケティングチーム
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横山秀(よこやま しゅう)
新卒でIT企業に入社後、2015年にプラン・インターナショナル入局。支援者対応・広報などの業務を経て、2017年より現所属。支援者を募るための広告全般の制作に関わるほか、デジタルマーケティングでは主担当としてweb広告の計画・分析をソウルドアウトとともに進めている。
市丸翔大(いちまる しょうた)
ソウルドアウト株式会社デジタルマーケティング第三支援事業部部長補佐
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市丸翔大(いちまる しょうた)
2015年、ソウルドアウト株式会社へ新卒入社、営業部配属。配属当初は東京以外にも神奈川、群馬、茨城など関東圏のお客様のデジタルマーケティング支援に従事。2019年上期に部長補佐就任。現在は東京を活動のメインに、様々な業種のデジタルマーケティングを支援。

デジタルプロモーションで支援活動の認知拡大

ーはじめに、プラン・インターナショナル・ジャパンさんの事業内容について教えてください。

久保田:私たちは、世界70か国以上に拠点を構え、開発途上国の子どもに向けた支援活動をしている国際NGOの日本における事務局です。子どもの中でも特に女の子に焦点を当て、暴力や貧困から守り、教育や生活環境を整え前向きに自立した人生を生きていくための支援をしています。

日本の事務局の役割としては、日本の皆様にもっと我々の活動を知っていただき、共感を得ることです。企業様向けのプロモーションを行う部署もありますが、私たちマーケティングチームは一人でも多く個人の支援者を増やし、継続して寄付いただくのがミッションです。
 

ーどのような経緯でソウルドアウトとお付き合いをされるようになったのでしょうか。

久保田:2年前、局内で大きな組織再編がありマーケティングチームに入りました。私の着任以前からお付き合いしていた総合代理店さんがいたのですが、Web分野の専門性が低く、成果が伸び悩んでいました。そこで、組織再編を機に全てリセットし、デジタルプロモーションに注力して立て直すことになったんです。

新たに代理店を探すためコンペを開いた際、ソウルドアウトさんと出会いました。バランス良く色々な方面からご提案くださる点や、コミュニケーションの頻度が高くマメである点、何より非営利活動への知見をお持ちというのが決め手になり、お付き合いがスタートしました。

我々の場合、営利目的の物販やサービスとは異なり、お金を出すことで何か目に見えるモノが手に入るわけではありません。代理店さんを選ぶ上で、その感覚をはじめから理解してくれている方がお仕事しやすいと考えたんです。支援者の方の心の満足や信頼感をどのように訴求していけるか、それを一緒に考えてくれるかどうかがポイントでした。

写真

 

ープロモーション戦略を立ち上げ直したということですが、初期の取り組みはどのような内容でしたか。

市丸:まずはWebプロモーションの基盤を作ることからのスタートでした。KPIを設定し、どのような施策でPDCAサイクルを回していくか、フローの構築からやらせていただきました。

具体的に第一ステップとして行った施策が、顕在層の取り込みです。「寄付」などのキーワードで検索したユーザーへリスティング広告を出す手法ですね。

その後、第二ステップでは潜在層へのアプローチをはじめました。顕在層の取り込みだけではいずれ頭打ちになってしまうので、認知を拡大し市場を広げる必要があります。記事広告を制作するなど、様々な手法を試しています。

横山:最初はWeb広告運用だけをお任せしていたのが、徐々にプロモーション全体をお願いするようになっていきました。

コミュニケーションプランを見直し、一気通貫したプロモーションを実現

ー特に成果を実感された施策について教えて下さい。

横山:2019年の春夏に行ったプロモーションです。一部媒体では、前年比で3倍以上の成果を出すことができました。

これまでのやり方を刷新し、ソウルドアウトさんが紹介してくれたパートナー会社さんと3者で密にコミュニケーションをとり、クリエイティブの制作やWebの運用、交通広告や他媒体のプロモーションまで総合的に進めてもらったプロジェクトでした。連携して進められたことで成果が出たと感じています。

久保田:それまではWebに力を入れると言いつつも、交通広告やフライヤーなどリアルな媒体を先行して作り、Webは後付けで合わせる形でやってもらっていたんです。媒体ごとにコミュニケーションもなく、完全に分断されていました。

市丸:総合的なプロモーション戦略が立てられない点は、ずっと課題に感じていました。そこで今回お任せいただいたプロジェクトでは、まず媒体全体のコミュニケーションプランを構築したんです。ターゲットを明確にし、どんなコピーをどの場所に出せばいいのか一貫して考えていきました。

具体的には、プラン・インターナショナル・ジャパン様、制作会社様、ソウルドアウトの3者間のチームで考案した「遠い国の女の子の親になる」というインパクトのあるキーワードと日本人のビジュアルを使い、これまで途上国への支援は良いこと、必要なことだと思っているけど、なかなか踏み出せない人に目を留めてもらい、気になった方にWebで検索行動をとってもらうことを目的にしました。全ての媒体で徹底し、Webでそのワードを検索すれば広告が出るようにしました。

戦略通り検索数は大きく伸びましたし、競合が絶対に出さないようなワード、しかもかなり寄付へのモチベーションが高いユーザーを連れてくるワードであるため、顧客獲得単価を抑えることもできたんです。

久保田:正直、「親」というキーワードを使ったプロモーションを初めてご提案いただいた時には有り得ないと思っていました(笑)というのも、以前から我々は里親団体だと思われることが多々あり、勘違いされたくないという思いを常々抱えていたからです。内部でも相当議論しましたし、自分自身も気持ちを納得させるまで1ヶ月ほどかかりましたね。

しかしそこで、「親」という言葉に対しての認識を見直すことができたんです。2019年時点で私たちが言う「親」とは、血縁関係や経済的、制度的な繋がりではない。その子どもを見守ること、その子が生きる地域を見守ることが、広い視野で考えた時の現在の「親」なのではないか。そんな風に考え、私たちの活動を伝えるために重要な言葉だと捉え直すことができました。結果的に、外部の方々ならではの意見を取り入れることで、とてもいいクリエイティブになったと思います。

ご提案いただいたプロモーションが上手くいったことで露出が増え、「親」という言葉が私たちの活動を認知してもらう重要なキーワードになりました。
 

ー取り組みの中で、特に工夫されたのはどの点ですか。

市丸:キャンペーン中に、ターゲットの範囲を拡大したことです。最初は30〜40代の女性をメインターゲットとして運用していました。しかし、寄付はどんな人でもできる行為。色々なデータを見る中で、そのほかの層にも効果があるのではないかと感じたんです。

広告のクリエイティブが良く、予算に対して効率よく成果を出せていたので、新しいチャレンジができる体力もありました。そこで、30〜40代の女性以外の層にも配信することにしたんです。結果として、それ以外の層にもクリエイティブが響き、獲得の件数を伸ばすことができました。

横山:僕たちだけでは踏み切れなかったと思いますね。実は、2019年4月にプロモーションが始まってしばらくはすごく反応がよかったのですが、その後一旦数字が落ち着いた時期がありました。そこでターゲティングを変えていただいたことで、5月以降また数字が盛り返してきたんです。このクリエイティブならより多くの層に響くというのは、嬉しい発見でしたね。

市丸:獲得の目標件数は確保しつつ、ターゲットを広げていくのは難しかったですが、バランスが保てるよう調整しました。だけで終わらず、今まで試していなかったことを試して、次のステップの認知拡大施策に繋げられたのは良かったです。

横山:今回のキャンペーンの成功を確信した上で、次の施策を考えてくれているというのはすごく感じていました。私たちは目標の獲得数しか見えていませんでしたが、ソウルドアウトさんは見えないところで今後のことを考えて動いてくれているんですよね。とにかくトライアルアンドエラーのスピードがすごく早くて。そういった部分も信頼感に繋がっています。

潜在層へのアピールを進め、寄付を日常的なアクションに

ー最後に、今後の展望をお聞かせください。

久保田:今回のプロモーションで、顕在層のから潜在層の認知拡大へと施策を進めることができました。とはいえ、まだまだ認知は広められると考えています。潜在層へのアピールを念頭に、地方展開や、様々な媒体を使った方法を試していきたいです。

例えば関西は、流入があっても東京ほど獲得に繋がっていないんですね。やはり団体への認知や信頼感が薄いのだと実感しています。今のままではいくら露出していても寄付には繋がらないので、地方でも媒体のバリエーションを増やすなど施策を打っていく必要があると思っています。

市丸:そうですね。寄付してくださる方の割合では、やはり首都圏が半数以上を占めています。今回、関西で交通広告を打った時も検索数はしっかり上がったので、ポテンシャルは充分にあると考えています。人口比率から言っても、狙うべきエリアですね。

久保田:あとは、一度寄付いただいた後に支援を継続していただくためには、もっと私たちと支援者の方との接点を作らなければならないとも思っています。単発のイベントを開いて終わりではなく、リアルでもデジタルでも支援者の方と長く繋がれるようなコンテンツを考えないといけません。

市丸:例えば、支援者の方同士が集まってリアルな座談会を開くなど、お互いに顔を見て、自分の思いや同じように支援している人の思いを話し合うことができる場などを作れたらいいですよね。

久保田:そうですね。活動エリアを広げてさらにスケールアップしていきたいです。途上国の女の子の権利を守る、リーディングNGOとして声を発信していくのが我々の目標です。寄付が日常的なアクションに、生活の一部になるように、今後もお力を借りながらメッセージを発信し続けていきたいです。

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