ゲーム開発者からアドテクノロジーの専門家へ。 誰にだって、ゼロから始めるチャンスがある。

仲間・文化
2018.07.03
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自分の仕事に誇りを持ち、専門性を追求する。「Professional」では、各領域の専門家に迫ります。今回は、アドテクノロジー領域のプロフェッショナル、WEBマーケティングサービス本部メディアソリューション部・部長補佐の小野友嘉さんにお話を伺います。

インタビューの模様を動画でもご覧いただけます。

Professional_小野 友嘉
https://www.sold-out.co.jp/movie/20180620

小野 友嘉(おの ゆうか)
WEBマーケティングサービス本部メディアソリューション部 部長補佐
プロフィールをみる
小野 友嘉(おの ゆうか)
2011年株式会社Cygamesにエンジニアとして入社。担当したアプリは「進撃のバハムート」「アイドルマスター」など、ガラケーからスマホ化やアプリ化の時代をフロントエンジニアリーダーとして従事。
2015年テクノロジーの力でお客様を救いたいという思いからソウルドアウト株式会社に入社。アドテクノロジーに特化したチームにて、フィード広告とアドテクツールの拡販に従事。

広告の成果を最大化する環境をつくる

ーはじめに、小野さんが取り組んでいる仕事について詳しく教えてください。

私が担当しているのは、インターネット広告の裏側のシステム部分、アドテクノロジーの領域です。設定から効果の測定、改善まで行い、広告がより多くの人の目に触れ、成果を出せるように、運用を最適化しています。

企業が出稿する広告には、大きく分けて静的なものと動的なものの2種類あります。静的な広告は、固定されたバナーをクリックすると固定されたランディングページに飛び、そのパターンはいつも一緒です。これに対して、criteoやGoogleDynamicRemarketingのような動的な広告は、パターンが固定されておらず、消費者の行動に合わせて変化します。消費者の興味に合わせた広告を出すことができるので、比較的効果が出やすいんです。

静的な広告は一度出稿したら効果を見るだけですが、動的な広告は継続的に効果を測定し、改良していく必要があります。せっかく広告を出しても、うまく運用できないと効果が期待できないからです。私たちは、主にこの動的な広告の効果測定や改良を行い、低コストでより多くの人に行き渡るよう、環境を整えるお手伝いをしています。

具体的には、Webページに測定タグを埋め込んで、該当ページがクリックされた回数を測定したり、Webサイトの閲覧履歴から適切なページに広告を配信するデータフィードを管理したりしています。お客様は、ECサイトを運営する企業からBtoBのビジネスをする企業までさまざまですが、目的に合った成果を出すために最適な環境を整えるようにしています。

ー広告を効果的に運用していくためには、何が大事なのでしょう。

まずサイトの構造を理解することですね。サイトって、大きなフォルダの中に、トップページや商品詳細ページ、サンクスページなど、いろいろなページが入っているようなつくりになっているので、全体を理解してきちんと見れる力が必要です。タグマネージャーなどのツールを使いこなせることや、プログラミングスキルも大切ですね。

しかし、プログラミングスキルだけではなく、マーケティングの知識も重要ですね。そして、一番必要なのは「お客様とプログラミングが好き」という気持ちだと思います。良い運用担当者になるためには、好きなもののために頑張ろうという成長意欲や素直さが欠かせません。技術と気持ち、両方が必要だと考えています。

スキルを手にすれば、世界が広がる

ー小野さんは以前、ご実家で焼肉屋さんをされていたと伺いました。どんな経緯でソウルドアウトに入社されたんですか。

もともと両親が焼き肉屋を営んでいたんですが、僕が専門学校に通っているころに父が他界したんです。そのため、焼き肉屋を継承することになりました。しかし借金が大きく、20歳そこそこの私では融資も受けられなかったため、5年ほどかけて債務整理をし、店をたたみました。

ひと段落してこれから何をしようかと考えたころ、時代はITバブルの全盛期でした。これからはITだと思い、未経験からエンジニアになれる会社を探して小さな制作会社に雇ってもらいました。プログラミングを一から学ぶのはすごく大変でしたが、ちゃんと時間をかけて学べば身につくというのを体感しましたね。2年後にはフリーに転身し、タイミングよくサイバーエージェントの子会社でソーシャルゲームの開発に携われることになりました。はじめは業務委託でしたが、半年くらいで正社員になれたんです。

そこでは、メインエンジニアとして、「神撃のバハムート」や「アイドルマスター」などのゲームを開発しました。1つの作品に対して関わる人数が多く、エンジニアやデザイナーがそれぞれ30人、プランナーも10人近くいました。みんなでプロジェクトをつくりあげるのがすごく楽しかったですね。億単位のゲームを動かしているという責任感の大きさにもやりがいを感じていました。プログラミングというスキルを身につけたことで、できることが増え、世界が広がったんです。

そして、続けるうちに、自分のスキルがほかの領域でも通じるのか試してみたくなってきました。折よく、オプトグループの知人からソウルドアウトの求人を紹介されました。今までカスタマー用に発揮してきたスキルは、ビジネスでも通用するのか。自分の力を試してみようと、転職することにしました。

ーゲーム開発の会社からソウルドアウトへ入社して、ギャップはありませんでしたか。

ギャップだらけでしたね。はじめは広告用語が全く分からず、みんなが何を言っているのか拾って理解するのが精いっぱいの状態でした。

特に営業の部署に配属されたときは大変でしたが、学ぶことも多かったです。たとえばアポイントを終えた後は、お礼のメールと議事を送る。会議の前にはきちんとアジェンダをつくる。開発者は周りが用意してくれるので、そういったことをやらなかったんです。転職したことで、ビジネスマンとしての基本を学ぶことができました。それと同時に、クライアントの目線を学ぶことができたのも大きかったです。ただソースを書いていればいいというだけではなく、顧客目線に立って仕事をすることが大切なんだと気が付きました。

プログラミングは怖くない

ー未経験から挑戦する中で、スキルを身につけてこられたんですね。小野さんが今の仕事をする中で、力を入れていることを教えてください。

デジタルマーケティング人材を育てることです。自分が未経験からスタートしているからこそ、未経験の人が一歩踏み出す手助けをしたいと思っています。

たとえば社内では、チームメンバーへすぐに教えるようにしていますし、わかりやすく伝えることを心掛けています。1回でわからなくても、わかるまで説明します。プログラミングは怖くないということを伝えたいんです。

まずやってみれば、ゼロだったスキルが1になって、そこからすぐ2、3、4と上がっていきます。20~30%できるようになれば、今は対応できないお客様の課題が解決できるようになるかもしれない。だからまずは一歩踏み出してみてほしいと思っています。若手社員が3か月うちの部署に来たら、プログラムが書けるようになっているのが理想ですね。

社外でも、お客様のわからないことに回答できるよう心掛けています。個人的には、お客様自身が自社のサイトをいじれるような環境をつくるべきだと考えています。自分でやってみてわからないことにぶちあたらないと、人はなかなか成長しません。まず自分でやってみて、わからないところがあったらソウルドアウトに相談する、という仕組みを作りたいです。そうすれば、お客様もソウルドアウトの社員も成長し、リテラシーが上がると思います。

▼「中小・ベンチャー企業のデジタル化に対応するためのデジタルマーケティング人材育成プログラムを開発」(2018.6.11)
https://www.sold-out.co.jp/news/topic_20180611

ー人材育成や指導に力を入れてらっしゃるんですね。特に印象に残った仕事はなんですか。

アドテクノロジーのセミナーの講師を務めたとき、受講した人がファンになってくれて、会社に受注が来たことです。きちんと伝わったんだなと思うと嬉しかったですね。ほかにも、部門に限らず社内の人がアドテクノロジーの知識を身につけていくのを見ると、よかったなと思います。

多くの人に、プログラミングに触れるきっかけを

ー最後に、アドテクノロジーの領域の今後と、小野さん自身が目指す未来について教えてください。

アドテクノロジーの分野では、さらにいろいろな技術が増えてくると思います。広告の自動化はもはや常識になりつつありますし、単純な処理はどんどんロボットが行い、工数が削減でき、生産性が上がると思います。

特に注目しているのが、広告をクリックしたのが人間なのかロボットなのか見分けて、ロボットがクリックした分を除外する技術です。いまのところ、ロボットが広告をクリックした分にも配信コストがかかってしまうので、それを除外してきちんと情報を必要としている人だけに届けられるようにしたいですね。

個人的には、引き続きデジタルマーケティング人材の育成に力を入れ、社内でプログラムが書ける人を増やしていきたいです。自分のチームだけでなく、営業やコンサルなど部署の垣根を越え、幅広くプログラミングに触れる機会をつくりたいと思っています。

私自身、焼き肉屋をしていたころは、パソコンの電源の入れ方が分からず、キーボードを人差し指で叩いているような状態でした。そこからのスタートでも、プログラムを書いてゲームを作れるようになったんです。やったことのないことはできないと思ってしまいがちですが、一歩踏み出さないと味わえない新しい世界もあります。自分が未経験から始めたからこそ、ゼロからでも大丈夫だと、たくさんの人に伝えていきたいです。

Private Talk

休日は、都内のバーでスタッフとして働いています。20人入らないくらいの小さい店ですが、マスコミ関係者も多く、いろいろなつながりが生まれる瞬間に立ち会えるのは面白いですね。私自身もお客さんとボケ合いをして楽しんでいます。もともと人と話すのが好きなので、ゲーム会社で黙々と開発をしていた時も、どこかに「もっといろいろな人と話したい」という思いがありました。だから、仕事を通して様々な価値観を持つ人たちと触れる機会をくれたソウルドアウトには感謝しているんです。

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