二社が両輪となって前進し、掴んだ事業の成功。自動車学校業界の発展とユーザーのカーライフ支援企業へ|ジップラス株式会社様

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2019.03.22
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企業の数だけ課題があり、ストーリーがある。「WORKS」では、中小企業が課題を乗り越えたストーリーを、伴走者であるソウルドアウトとの対談形式でお届けします。第5回は、運転免許の取得を中心にカーライフ支援のオンラインサービスを提供するジップラス株式会社・代表取締役社長の金坂茂さんと、ソウルドアウト株式会社・LINE事業本部本部長の浅見剛さんにお話を伺いました。
 

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金坂 茂(かねさか しげる)
ジップラス株式会社 代表取締役社長
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金坂 茂(かねさか しげる)
自動車学校業界37年。指導員を15年経験した後、合宿免許の斡旋事業会社の代表取締役を歴任。個別に自動車学校向けのコンサルティングにも従事。2017年8月ジップラス株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。
浅見 剛(あさみ ごう)
ソウルドアウト株式会社 LINE事業本部 本部長
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浅見 剛(あさみ ごう)
2008年オプト中途入社。2010年ソウルドアウトの立ち上げに参画。2011年上期MVPを受賞。営業部長、支援部門・本部長を歴任し、2017年1月にEC支援本部・本部長に着任。成果報酬型の販売代行サービス、EC事業立上げ支援、LINE@運用支援サービスなど開発し提供。2019年1月より、LINE事業本部本部長に就任。

自動車学校業界の課題である集客を支援

―はじめに、ジップラスの事業について教えてください。

金坂弊社では、インターネットを使って運転免許を取得したい方を集め、提携する自動車学校へ送客する仕組みを構築しています。主に、全国にある運転免許を取得できる自動車学校を掲載し、運転免許取得希望者とのマッチングを図るメディア事業、自動車学校のWeb集客の成果を最大化するコンサルティング事業の2軸で展開しています。

自動車学校での運転免許取得方法は、「通学」と「合宿」の2パターンに分かれます。メディア事業では、通学に特化したポータルサイトの『Do-Live(ドゥーライブ)』、合宿に特化した『アイディをそれぞれ運営しており、全国の100を超える自動車学校と提携を結んでいます。利用者のほとんどは、学生です。二輪車や大型車、バスやタクシーなどの免許を取りたいと利用いただく方もいらっしゃいます。

―ジップラスは2017年の設立だと伺っていますが、お二人は設立時から一緒にやってこられたんですか。

金坂:そうですね。私はもともと自動車学校の指導員や営業をしており、少子化が進む中での集客に課題を感じていました。特に通学希望者の獲得です。通学で免許を取りたい人を探す場合、従来の自動車学校の商圏は約10キロと言われていました。「片道10キロ以上の遠い地域からは通わない。だから、外部からの紹介は必要ない」という発想だったんです。

しかし、免許合宿が通学よりも安い料金プランを出してきていることもあって、だんだんと商圏の中にいる人たちが外へ出ていくようになりました。少子化も進んでより集客が難しくなったうえ、若者は紙のパンフレットではなくインターネットを使って自動車学校を探しているため、地域のコンビニや飲食店などにパンフレットを置いてもなかなか人は集まりません。しかし自動車学校にはWebに関するスキルや知識をもつ人材は少なく、施策を打てないことが多かったんです。

そんな現状をみて、ほかの業者が手を出さない「通学での運転免許の取得」に特化した集客支援のWebサービスを始めました。その際、数ある広告会社のなかでもどんどん力をつけていたソウルドアウトさんに力を貸してもらい、一緒にビジネスをつくっていくことにしました。

浅見:当時、免許合宿に特化したWebメディアは多くありましたが、通学メインはほとんどありませんでした。しかし、自動車学校の入学者の割合で言えば、通学8割、合宿2割だったんですね。通学の情報を求めているユーザーが圧倒的に多いにも関わらず、オンラインメディアがないことに僕自身も課題を感じていました。それで金坂さんとお話した時に意気投合して、今回の事業の立ち上げに一緒に取り組ませていただくことになりました。

 

特典やコミュニケーションツールを導入し競合と差別化

―どうやってメディアを作っていきましたか。

浅見ユーザー、自動車学校、スポンサー企業の三者間で、シナジーを生むような設計にしました。僕らはさまざまなお客様のマーケティングを支援する中で、テレビも雑誌も見ない若年層にどうにか商品やサービスをPRしたいというニーズをお聞きしていました。

自動車学校業界は斜陽と言われていましたが、視点を変えると、18〜20歳の若年層の過半数が一定の時期に高確率で接点を持つ場所です。しかも必ず学校に来るので、リアルにリーチすることができる。これはアプローチする好機になると考え、若年層をターゲットにしている企業様にスポンサーになっていただくことにしたんです。

金坂「大学生の生活応援」「カーライフの応援」といった切り口でのアプローチを提案し、映画館やレストラン、中古車販売店など、多くの企業さんにご賛同いだけました。ターゲット層が合致していたんですね。こういった取り組みは、業界でも初だったと思います。

浅見:ただ、当初は自動車学校から全然受け入れられませんでした。独自性を理解してくれる学校もありましたが、「よくあるやつだよね」と従来の合宿系メディアと同じものだと捉えられてしまうこともしばしば。地域によっては競合がいない場合もあり、知名度に自信がある学校には「黙っていてもお客は来る」と納得していただけないケースもありました。

それでも、金坂さんを中心に、地方を回って営業しましたよね。有名な自動車学校と契約提携できると、「それなら、うちも」という形で徐々に提携校が増えていきました。

金坂:知名度のある自動車学校を掴めば、その噂が広まっていくんですね。私たちには実績がないわけですから、相手の立場に立って考え、地道に送客していくしかない。月間の送客数を5名から、10名、20名と増やしていった結果、噂が少しずつ広まり、提携してくれる自動車学校が増えていきました。

―サービスを立ち上げてからは、どうやって広めていきましたか。

浅見:ジップラスさんもスタートアップ、我々も新規事業という位置付けで開始したものですから、潤沢な資金はないため、広告宣伝は検索連動型広告など最小限に留め、まずは検討中のユーザーの悩みを解決し、利用いただいたユーザーの満足度を高めることに注力しました。結果、ゆっくりではありましたが、段階的に口コミが広がっていきました。

この施策の中心においたのが「LINE」です。従来の同種のポータルサイトでは、ユーザーとのコミュニケーション接点は、電話、パンフレット(資料請求)、Webフォームの3点が一般的です。しかし、今回のメディアでは必ずLINEを通すようなフローに変え、ユーザーからの問い合わせや、申込後のやり取りなどもすべてLINEで行うことができるようにしたんです。

販促活動においてもLINEを中心に置きました。これまで、ユーザーは教習所や斡旋メディアが発信する「今なら18万円、最低価格保証」などといった画一的な情報しか得ることができませんでしたが、LINEを使うことで双方向のコミュニケーションが可能となり、我々サイドもユーザーそれぞれの不安やニーズを汲み取ることができるようになりました。徐々に結果が出始めてくるとジップラスのスタッフさんはもちろん、弊社含めた関係者は一様にユーザーに寄り添ったコミュニケーションを大切にするようになりました。結果、展開する広告訴求も変わり、発信するコンテンツも自然に変わっていく。そうなってくると競合他社と戦うといった考えもなくなり、本質的なサービスの改善サイクルがまわりはじめました。

金坂LINEを用いることで、お客様とのコミュニケーションはかなり円滑に、効率的になりました。例えば、5名以上の団体で免許合宿に申し込まれた時、これまでは全員のスケジュールや希望エリア、予算をまとめてもらってから、代表者とのみ連絡を取り合って自動車学校を紹介していました。時間がかかるので、お友達同士で協議している間に希望の自動車学校が満席になってしまうことも多々ありました。しかし、LINEではグループチャットの機能を使ってお友達全員でやり取りができるので、圧倒的に効率が良くなったんです。疑問点や不安点もその場で全員にシェアできますしね。

また、これまではお問い合わせがあった後に電話で対応していたのですが、お客様と時間が合わなくて連絡が取れず、機会損失に繋がってしまうことが多くありました。LINEを取り入れることで、お客様の空いた時間に対応していただけて、圧倒的に連絡が取りやすくなりました。

プロジェクト成功の秘訣は「二社両輪」

―施策によってどんな成果がありましたか。

金坂合宿の自動車学校で約80校、通学で約120校と提携を結ぶことができました。同業他社と比べればかなり多い人数を送客できていますね。自動車学校の間で信頼を得てきていることは、肌で感じています。浅見さんとの信頼関係があったからこそ、ここまで事業を進められたのだと思います。

浅見:僕らは、通常であれば広告のご予算を預かり、目標のKPIに向けて運用努力をしていくことがミッションです。ただ、今回の取組みでは販売代行モデルを導入し、僕らはマーケティング・販促領域をお任せいただき、ジップラスさんには自動車学校やユーザーとの向き合いを担当していただいていました。

代理店として提案するのではなく、プロジェクトチームの一員として伴走させていただきましたね。時には失礼なことを言ったり、お互いの意見をぶつけあったりしながら、事業の成功という共通のゴールに向かって前進していきました。

金坂:常に両輪で一緒に進んでいくという姿勢でしたね。私は自動車学校のやり方はわかるけれど、それ以外はわからない部分もあるので、新しい提案をもらって新しいチャレンジをすることができました。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

金坂私たちは、「車のある幸せな人生応援」を社是に掲げています。これまで、送客業者は運転免許の取得希望者を集めてきて、自動車学校に紹介して終わりでした。しかし私は、免許取得後、その後のカーライフ支援に繋げていくかが重要だと思っています。

運転免許を取得してからも、車を買いたい、車に乗って旅行に行きたいなどいろいろなニーズがある。免許の取得を入り口に、大学入学から在学中、就活、卒業後までのトータルサポートをメインサービスにしていきたいです。例えば、教習料金相当の金額を他のサービスを利用してもらうことで還元して、教習料金が実質0円になるといった料金システムを構想しています。

それから、留学生などの外国人の免許取得もサポートできればと考えています。外国人が日本で生活していくために、運転免許や自動車購入の必要性は高いでしょう。世界的に見ても、日本の免許は信頼性の高い資格でもあります。外国人スタッフを雇うなどして、外国人へのサービスも充実させていきたいと考えています。

浅見:ジップラスさんの思い描く構想を実現できるように、我々もこれまで以上に事業の中に入らせていただき、新しい世界観をともに創っていきたいと思います。

 

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